税理士として独立開業して早いもので1年半が経ちました。
最初は不安もあった独立ですが、今となっては「やって良かった」と思っています。
独立したからこそ得られる経験は必ずある
税理士には
・独立して自分の事務所を構える「開業税理士」
と
・税理士事務所の職員として勤務し続ける「勤務税理士」
の主に2つのタイプがあります。
(他に「社員税理士」という区分もありますがここでは省略します。)
私はもちろん前者の「開業税理士」に該当します。
↓独立1年のときにも書きましたが、私自身、計画性を持ってではなく苦し紛れの独立でしたし、独立にあたっては不安も正直ありました。
ただ、それでも今は独立して良かったと思っています。
なぜかというと、独立してみて初めて得られる経験というものは確実にあるからです。
それが何かを挙げてみると例えばこんなこと。
ミスが直接自分の責任になることの緊張感
まずは「自分の行動や発言が直接自分に跳ね返ってくる」という点です。
勤務時代であれば、たとえ自分がミスをしても自分1人で泥を被ることはほとんどありません。
所長税理士が一緒だったり、場合によっては代わりに被ってくれることもあるでしょう。
しかし、独立しているとそうはいきません。
自分のミスは自分に直接跳ね返ってきます。
このプレッシャーはなかなかのものです。
「自分の判断が間違っていたことによってお客さんが損害を被るリスク」は勤務時代ももちろん意識はしていましたが、独立後はそうした点をより強く意識するようになりました。
勤務時代であれば正直気にしていなかったようなことでも今は入念に検討した上で判断するようになっていますし。
ただ、だからこそ勉強にもなりますし、そうした経験の1つ1つが自分自身の成長の糧となってくれるんですよね。
自分自身も事業主であるということ
この点も大きいです。
我々がお相手をさせて頂くお客さんは事業主や社長がメインとなるわけですが、そうした方々が日々感じていらっしゃる
・資金がだんだんと枯渇してくるときに感じる焦り
・仕事量と収入とのバランスをどう付けるか(どこで折り合いを付けるか)
・自分で税金を計算して納めることの大変さ
といった点は勤務時代には自分自身では経験したことがなく、わかろうにもわかる術がありませんでした。
サラリーマンを(良く言えば)脱して「経営者」になってようやく、こうした点に不安を感じながら事業を営まれているお客さんの気持ちがわかるようになりました。
今思うと「あの時は無責任でお気楽なことを言っていたなぁ」と恥ずかしくなることも多いです…。
他にもメリットは多いです
また、独立すれば自分最優先で時間が使えるのも大きなメリットです。
極端な話、平日に絶対仕事をしなきゃいけないというわけでもないですから。
職住一致や職住近接にすれば、通勤時間が無くなってその分さらに自分の時間も増えますし。
上から「これやっといて」と振られた仕事に時間を食われるストレスとか、
そう言われて「給料は増えないのにまた仕事だけが増えやがったよ」なんて思うストレスもありません(笑
やればやっただけ自分の収入が増えます。
ただし、だからと言って仕事をやりすぎては独立した意味がありません。
また、やればやっただけ収入を増やすにはそれなりに工夫も必要です。
でも、前述のとおり、そうした試行錯誤はお客さんも日々感じていらっしゃるわけで。
そう考えるとこれも必要な経験と言えます。
税理士を目指したきっかけが「独立」ならなおさら!
というように、私自身感じているメリットは多いので独立して本当に良かったと思っています。
もちろん、「環境が許さない」という方もいるでしょう。
私の場合も、こうして独立できているのは、私自身独り身だからというのは確かにあるかもしれません。
しかし、もし私に妻子がいたとしても、独立は絶対に選んでいた自信があります。
その理由は、私自身、「将来独立したい」と思って税理士を目指し始めた過去を持っているからです。
そもそも自分はなぜ税理士になろうと思ったのか。
それが「独立を目指せる職業だから」という理由だったのであれば、独立を目指すべきではないでしょうか。
しかもなるべく早いうちに。
私は39歳のときに独立しましたが、今は正直遅かったなと感じています。
あと5年でも早ければなー、なんて、今さら思っても仕方がないんですが…。
税理士として独立する気が少しでもある方は、「今はまだいいや」とは思わずに独立開業への道を探っていきましょう。
私自身がそうだったように、勢いで独立しちゃっても意外となんとかなるもんですよ(^^;
この記事を書いた人

過去に税理士試験の予備校で相続税を教えていた経験から、相続税が専門分野。
税理士には珍しいMacユーザーで、クラウド会計ソフトを活用したスモールビジネス支援にも力を入れています。
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