「広大地の評価」は「地積規模の大きな宅地の評価」へ。財産評価改正案公示

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先月(6月)の22日、注目の改正の内容がついに明らかになりました。
平成29年度の税制改正の項目の1つとして注目を集めていた「広大地評価」について、改正案が公示され、同日よりその案に対するパブリックコメントの募集が開始されています。

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平成29年度の税制改正の内容は以下の記事にまとめています。
平成29年度税制改正大綱公表。注目のポイントは?【相続税・贈与税中心】

来年から「広大地の評価」が大きく変わります

今回公示された改正案は、平成29年度の税制改正項目として昨年12月に公表された税制改正大綱に挙がっていた項目のうち、平成30年1月1日から適用となる

・広大地の評価の改正
・株式保有特定会社の株式の評価の改正

の2つです。
これらについて、具体的な改正内容案が公示されると同時に、その内容に関しての意見(「パブリックコメント」と呼んでいます)の募集が開始されています。

改正案と意見募集の受付は以下のページに掲載されています。
「財産評価基本通達」の一部改正(案)に対する意見公募手続の実施について|電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ

正直、パブリックコメントの募集を受けて改正案が変更されることはまず無いので、
「ここに挙がっている案=来年から適用される規定そのもの」と考えるべきであり、その意味では、ここに挙がっている情報は我々にとっても必見です。

この記事では、今回公示された改正項目2つのうち、影響・関心ともに高い「広大地の評価」について、具体的にどのような変更が入る予定なのか、上記のページに書かれている改正案の内容を紹介します。

気になる内容は?

改正案の内容は、上で紹介したページに以下の2つのPDFが掲載されています。
(クリックすればPDFファイルがダウンロードされます。)

上のPDFファイルに書かれている改正案のポイントは1つです。

・「広大地の評価」を廃止する
・その代わりに「地積規模の大きな宅地の評価」を新設する

これまで存在していた「広大地の評価」という評価方法は今年(平成29年)限りで廃止され、来年(平成30年)からはそれに代わって「地積規模の大きな宅地の評価」という評価方法が採用されることになりました。

「地積規模の大きな宅地の評価」って?

では、この改正に伴って評価方法自体はどのように変わるんでしょうか?
そのポイントをまとめてみました。

1:従来の「広大地補正率」は「規模格差補正率」へと中身を変える。

2:「規模格差補正率」は、通常どおりに評価した土地の金額に対して乗じる。
  (これまでは土地が接する中で一番値段が高い路線価に自動的にかけるだけでした。)

3:面積要件が明文化された。
 三代都市圏で500㎡以上、それ以外で1,000㎡以上の面積の土地であれば適用が可能に。

4:適用不可な土地の条件も明文化された。
 戸建住宅の開発ができない市街化調整区域工業専用地域容積率400%(東京都の特別区は300%)以上の地域に所在する土地は適用ができない。

1と2は、「地積規模の大きな宅地の評価」に変わることによって評価の仕方も変わりますよ、という話。
そして、3と4は、これまではっきりしていなかった要件面が明文化されるよ、という話です。

3と4が新設されて、
「これに当てはまればor当てはまらなければ適用OKですよ!」
という形になったのは我々税理士にとってもひじょーーに助かります。
来年1月からは、4以外の場所にある3の面積を満たす土地であれば全て評価減が適用可能になるってことですもんね。

正直、「この通達が以前からあればもっと減額できた土地もあったのに…」という気持ちです(^^;

評価の算式はどう変わる?

「広大地の評価」から「地積規模の大きな宅地の評価」に改正されることに伴い、対象となる土地自体の評価の算式は以下のように変わります。

【改正前(広大地の評価)】
路線価×地積×広大地補正率

【改正後(地積規模の大きな宅地の評価)】
通常どおりに評価した土地の金額×規模格差補正率

「規模格差補正率」とは?

では、この「規模格差補正率」ってどんなものなんでしょうか?
改正案に挙がっている算式をそのまま抜き出してみると…。
規模格差補正率

上の中に書いてある「マルBとマルCの次の表」っていうのがこれです。
マルBとマルCの次の表

こういうのは文字だけじゃなかなかイメージが湧きませんよね(^^;

具体的な数字で追ってみよう!

というわけで、実際の数字に当てはめて考えてみましょう!
三大都市圏内にある800㎡の土地の、改正前と改正後、それぞれの場合の補正率を並べてみます。

【改正前(広大地補正率)】
0.6-0.05×800㎡/1,000㎡=0.56

【改正後(規模格差補正率)】
(800㎡×0.95+25)/800㎡×0.8=0.78
※小数点以下2位未満は切り捨て

これを、路線価200,000円の正方形の土地に当てはめてみると、土地の評価額は↓こうなります。

【改正前(広大地の評価)】
200,000円×800㎡×0.56=89,600,000円

【改正後(地積規模の大きな宅地の評価)】
200,000円×800㎡×0.78=124,800,000円

8,960万円だったものが1億2,480万円と、評価額が3,520万円も上がってしまうことになります。

こうして見ると、改正が入ることはこちら側(納税者+税理士)にとっては不利なようにも思えますが、
ただ、「地積規模の大きな宅地の評価」に変わることによって、新たに救われる(今のままでは減額できないものが減額できることになる)土地も多そうなので、どっちが得なのかは今の時点では何とも言えないですね。

この改正が入ることで、来年以降、土地を始めとする相続税の財産評価がどのように変わっていくのか、注目です。

以上、今日は、どちらかと言えば税理士寄りのネタをお送りしました!

2017.10.11追記
その後、ほぼここに紹介している内容で改正案が確定しています。
「地積規模の大きな宅地の評価」改正案確定。いよいよ平成30年から適用へ
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