平成27年分から適用されている贈与税の改正項目総まとめ

平成27年分の贈与税の申告書の提出期限は平成28年の3月15日(火)です。

この記事では、贈与税の申告書を作成するにあたって注意すべき、
「平成27年分から適用が始まっている贈与税の改正点」を取り上げます。

  • 新たな贈与税の税率(特例税率)の創設
  • 相続時精算課税制度の対象者の見直し
  • 結婚・子育て資金贈与の非課税制度の創設
  • 住宅取得資金贈与の非課税制度の期限延長

など、現在もよく使われている制度に改正が入っているのが特徴です。

この記事の運営元:京都市左京区の尾藤武英税理士事務所
税理士試験受験予備校「相続税法」の元講師が運営する税理士事務所です。
わかりやすいアドバイスで皆様をサポートいたします。

1.新たな贈与税の税率(特例税率)の創設

まず1つ目は、贈与税の税率に絡む改正です。

贈与税の税率は、1年間で貰った財産の総額が大きければ大きいほど税率が上がっていく「超過累進税率」を採用しています。

この税率について、

  • 最高税率が50%から55%に引き上げ。
  • 1,000万円超の部分に対する税率が「一律50%」から、「1,000万円超1,500万円以下は45%」「1,500万円超3,000万円以下は50%」「3,000万円超は55%」の3区分に変更。
    →3,000万円超の部分は5%増税されるが、1,000万円超1,500万円以下の部分については5%減税となる。
  • 20歳以上の人が親や祖父母などの直系尊属から受けた贈与については、一般の人が利用する税率とは別に新たな税率が設けられた。
    →400万円超1,000万円以下の部分の税率は一般よりもさらに10%軽減される。

と、増えたり減ったりという改正が入りました。

3つ目に挙げている「新たな税率」については、「特例贈与財産とは?新設された贈与税の「特例税率」を解説します」という記事で詳しく解説しています。

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贈与税の特例税率・特例贈与財産とは?
この改正は平成27年1月1日以後の贈与から適用されます。

2.相続時精算課税制度の対象者の見直し

上記1.の税率は「暦年課税」と呼ばれる贈与に対して適用されるものですが、
贈与税には「暦年課税」の他に、「相続時精算課税」と呼ばれるものがあります。

暦年課税は贈与する人や受ける人を限定していませんが、
相続時精算課税は、親子などの直系血族間の贈与にその対象が限定されているのが大きな違いです。

相続時精算課税制度については以下の記事で詳しく解説しています。
相続時精算課税制度とは?要件や手続き、注意点をわかりやすく解説します

この制度に関して、

  • 従来は「65歳以上」とされていた贈与者の年齢要件が「60歳以上」に引き下げられた。
  • 適用が受けられる受贈者(贈与を受けた人)の範囲に、従来の推定相続人の他に「20歳以上の孫」が追加された。

という改正が入りました。

この改正は、平成27年1月1日以後の贈与から適用されます。

3.結婚・子育て資金贈与の非課税制度の創設

3つ目は、新たな非課税制度の創設です。

子や孫の結婚や子育てのための資金に充てるために、直系尊属(父母や祖父母)が決められた形(お金を金融機関に預け入れるなど)で贈与をした場合に、贈与税が非課税になるという制度が創設されました。

この制度の詳しい内容はこちらの国税庁のホームページにありますが、主なポイントは以下の6つです。

  • 贈与を受けるのは20歳以上50歳未満の人に限る。
  • 非課税枠は受ける人1人につき1,000万円。(ただし、結婚費用については300万円が限度)
  • 結婚、子育て資金なら何にでも使ってOKではなく、使途の範囲が決められている。
  • 非課税申告書を金融機関を通じて所轄の税務署に提出することで適用が可能。
  • 贈与を受けた人が、(1)50歳に達するか(2)それより前に死亡または(3)預け入れた資金がゼロになった段階で金融機関との契約は終了。
    その時点で精算し、(1)(3)の場合一定の残額があればそれに対して贈与税が課税される。
  • 金融機関との契約期間中に直系尊属が死亡した場合、その時点で精算し、一定の残額があればそれに対して相続税が課税される。

ひとつ気を付けて頂きたいのは、この規定は既に創設されている「教育資金贈与の非課税制度(後述)」同様、
金融機関を通して、そこから手続をしてもらうのが大前提の規定です。
「子供に直接あげてん」ではこの規定は適用されないので気を付けて下さい。

逆に言うと、この規定の申告に関しては我々税理士の出番は一切ありません(^^;
一番最後の贈与税や相続税が課税される場面ぐらいでしょうか。(それも何年後でしょうね??)

この改正は、平成27年4月1日以後の贈与から適用されます。
【ちなみに】
1度にまとまったお金をボン!ではなく、必要な都度の贈与であれば、「生活費の負担」の範囲内として、この制度を使うまでもなく贈与税は非課税扱いです。
参考記事仕送りや入学・結婚資金の援助に贈与税はかかる?

4.住宅取得資金贈与の非課税制度の期限延長

最後は、従来からあった「直系尊属からの住宅取得資金贈与の非課税制度」についてです。

平成26年末で一旦切れていた適用期限が平成31年6月30日まで延長されました。
消費税の10%への増税をも見据えた延長ですが、平成27年分で影響するのは非課税枠が1,000万円(省エネ、耐震、高齢者向けなどの良質な住宅の場合は1,500万円)だという部分です。

延長に伴う変更点

1つ注意なのが、非課税枠の基準日について。
規定の延長に伴い、非課税枠の基準日が、
従来の「資金の贈与を受けた日」から「住宅の建築などの契約をした日」に変更となっています。

平成27年中に契約をして平成28年中に資金の贈与を受けた場合の非課税枠は、
従来の考え方でしたら平成28年の枠である「700万円または1,200万円」でしたが、
改正後の規定では平成27年の枠である「1,000万円又は1,500万円」が適用可能となるので要注意です。
(この場合、贈与を受けるのは平成28年中なので、来年の申告の話にはなりますが…。)

また、「資金の贈与を受けた翌年の3月15日まで(それが無理なら遅くても12月31日まで)に住まないとダメ」という要件自体は変わっていませんので、その点も考慮の上で贈与を受けたいところです。

この改正は、平成27年1月1日以後の贈与から適用されます。

まとめ

以上、平成27年分の贈与税の計算から適用されている贈与税の改正点を4つ紹介してみました。
最後にもう一度、その4つをリストアップしておきます。

  • 新たな贈与税の税率(特例税率)の創設
  • 相続時精算課税制度の対象者の見直し
  • 結婚・子育て資金贈与の非課税制度の創設
  • 住宅取得資金贈与の非課税制度の期限延長

こうして見ると、贈与税に関しては増税よりもむしろ減税色の方が強いことがわかります。
「高齢者が抱えている財産を早く若い世代に流して、どんどんお金を使ってくれ〜!」
という国の方針が透けて見えてきますね。

相続税は増税、逆に贈与税は減税。
今後もこの流れは続いていくんでしょうか。

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