税理士試験まであと1ヶ月。これからの時期にやるべきこと

税理士試験まであと1ヶ月。これからの時期にやるべきこと

この記事は本試験まであと1ヶ月という時点で書いています。
いよいよ、あと1ヶ月というところまで来ました。

私が改めて言うまでもなく、これからの1ヶ月の過ごし方は非常に重要で、受験生の皆さんの合否の行方を間違いなく左右します。
どれを優先して復習すればいいのか迷うという方も多いでしょう。

そこでこの記事では、私自身が受験生時代に心掛け、また、税理士講座講師としても毎年お伝えしていた
「これからの時期に優先してやるべきこと」
を理論、計算に分けてご紹介します。

この記事を書いた人


税理士 尾藤武英
税理士 尾藤 武英(びとう たけひで)
京都市左京区下鴨で開業している税理士です。
2007年から2012年まで「資格の大原 税理士講座」で相続税法の常勤講師として勤務。
受験経験者コースを主に担当し、2012年には全国統一公開模擬試験の計算問題の作問も担当しました。
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税理士試験の勉強方法・攻略法まとめ
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理論編

以前、以下の記事で「『ベタ書き問題』の出題はだんだん少なくなくなってきている」と書きました。

とはいえ、本試験の理論問題の難易度はそれでも高いです。
しかも、本試験では解答時間が根本的に足りない状態でそれらの問題と向き合うことになります。

そうなると、必然的に「量より質」の解答が要求されます。
テキストに載っているとおりにベタベタ書いていては時間は絶対に足りませんし、題意に沿った解答もできなくなります。
必要最低限の内容を漏れなく的確に解答してこそ合格答案に近づけるのです。

そのためには、理論の内容を深いところまで理解する必要があります。
じゃあ、そうなるために本試験までにいったい何をすればいいんでしょう?

その1:個別理論の地道な暗記

「結局それかい!」って思いました?
そうです。結局はこれなんです。

税理士試験は地道に努力をし続けてはじめて合格の資格を得ることができる試験です。
そして、ある意味その能力が最も試されているのが理論暗記と言えます。

「せっかくタイトルが挙がったのに覚えていないから書けない…(汗)」
なんてことにならないように、1題でも多くの理論を覚えて本試験会場に持って行きましょう!

ポイントは、ただやみくもに暗記するのではなく、タイトルなど各理論ごとの構成を頭に入れながら暗記すること。
これが頭に入ってくると、応用理論のタイトル挙げもしやすくなります。

さっき「理論の解答は量より質だ」と書きましたが、理論暗記は逆に「質より量」です。
多少粗くてもいいので、書ける状態の理論を1題でも増やせるよう頑張って下さい!

その2:教材を使ってのタイトル挙げ

個別理論の暗記だけでは理解の幅も広がりません。
教材や答練を利用したタイトル挙げの練習も暗記と並行して必ず行いましょう。
それぞれの問題の解答パターンを覚えてしまうぐらいになればこっちのもんです。

また、解答の際にはしっかりと落ち着いて問題を読むことを心掛けましょう。

応用理論はタイトル挙げが命です。
問題文を読み飛ばしたり早合点して本試験で致命傷を負うことがないように、慎重に問題文を読む癖を今のうちから付けておきましょう!

初学でタイトル挙げに苦労するのは当たり前です

ちなみに、初学の方が今の時点でうまくタイトルが挙がらないのは当たり前です。
受験経験者とは問題に対する経験値が違いますからね(^o^)
初学の方にとって、今はまだいろんな問題に触れることで解答の幅を学んでいくという段階です。

いろんな問題に触れて、しかもそれを見直しているうちに横のつながりも自然と付いてきますし、しっかりとした暗記があればそのスピードも速いです。
今は迷わず個別理論の暗記とタイトル挙げを行って、とにかく基礎を固めましょう。
初学者が経験者に勝つにはそれしかありませんよ!

計算編

↓この記事を紹介するのももう何回目でしょうか(^^;
以下の記事でも書いていますが、税理士試験で最も必要とされるのはAランクを合わせる力です。

試験委員は解けない論点を必ず何個かは出してきますが、そんなのは無視しておけばいいです。
私の講師時代、合格者の方は皆さん一様にこう仰っていました。
「AランクやBランクはしっかりと合わせました。」と。

問題のボリュームが多かろうが少なかろうが、そんなのは全然関係ありません。
合格に向けて大事なのはあくまでも「Aランクをしっかりと合わせること」です。

それを踏まえると、本試験までに重点的にやるべきことも自ずと見えてきます。

その1:テキストの読み直し

受験の原点はテキストです。
テキストには合格するための要素がたくさん詰まっています。
改めて読み直してみると、見落としていた項目が結構あるものです。
(一度は確実に押さえていたはずなのに…。)

基本を制すものは受験を制す!
直前期に配られたものも含めて、本試験までに全てのテキストは必ず何度も目を通して、内容を頭に叩き込むようにして下さい。

叩き込むというのは、問題を解いているときに
「この端数処理はテキストのあのページの何行目に載っていたな」
とか
「この算式はテキストのあの部分にああいう状態で載っていたな」
というのが具体的なイメージとして思い出せるぐらいのレベルです。
そこまで来れば、相続税のややこしい財産評価みたいな問題で算式の組み方がわからずに手が止まる、なんてこともほとんどなくなります。

間違った箇所も全てテキストに集約していました

ちなみに私はいわゆる「間違いノート」は作らず、間違った論点はテキストの該当する項目が挙がっている箇所に全て直接書き込んでいました。
足らなければ紙に書いたのをその場所に挟み込んだり。

テキストを見直せば、過去に自分がどんな間違いをしたのかまで同時に見直せるという仕組みです(^_^)v

その2:個別問題の解き直し

テキストを読んでいるだけではもちろんダメです。
計算問題は毎日必ず解答しましょう。

その際に優先すべきなのは総合問題ではなく個別問題です。
総合問題はあくまでも個別問題の集合体に過ぎません。

ポイントは、ただやみくもに解くのではなく、問題で与えられている資料の意味を考えながら解答すること。
「算式では使わないのになんでこの資料まで挙がっているんだろう?」
そんなことを考えながら解くだけでも学習効果は全く違ってきます。

その3:過去問の解き直し

個別問題だけではなく、総合問題ももちろん解く必要があります。
中でもオススメは過去問です。

敵に闘いを挑むにはまずは敵の特徴を知らなければいけません。
試験委員は過去問を見て問題を作りますし、過去問には本試験の特徴が如実に現れています。
問題文の表現、答案用紙の与え方など、本試験の様式には必ず慣れておきましょう。

直前答練も全て解き直す必要は無い

ちなみに、直前答練は間違えた論点だけを解き直す程度でいいと思います。
時間を置かずに何度も解き直す方もいますが、どんな問題か覚えている状態で解き直してもそんなものははっきり言って時間の無駄です。
同じ「覚えるぐらい」なら、過去問の方が価値も数倍高いですから、その意味でもオススメは過去問です。

私の場合も、官報合格までの最後の数年は試験前の数日間は総合問題は過去問しか解いていませんでした。

どれだけ苦しんでもあとひと月で終わりです

いよいよ本試験まであと1ヶ月です。
言い換えれば、どれだけ苦しんでもそれもあとひと月で終わりです。

あと少しだけ苦しんで合格を勝ち取るのか、惰性で過ごして苦しむ期間を翌年以降に先延ばしするのかも自分自身の気持ち次第。
残された時間を有効に使って、最大限の「知識武装」をして下さいね。
満足のいく復習ができれば自信を持って本試験に臨めますし、その自信がきっと良い結果をもたらしてくれるはずです。

受験生の皆さんの健闘を祈ります!

過去に授業で使っていたものを…

実はこの記事、講師時代に今の時期に受講生の方に配っていたプリントの文章を加筆修正したものです。

今改めて当時のプリントの数々を見返してみても、我ながらいいこと書いてますわ〜(笑
他にもいくつか同じようなものがあるので、近いうちに記事にするかもです。

元O原の相続税法講師の意見なので、科目によっては、また、他の専門学校だと当てはまらないこともあるかもなぁ、と思いながらも、基本的な部分は変わらないはずなので参考にはなるのではないかと思い、記事にしてみました。
担当講師と真逆のことを言ったりしているかもしれませんが、1つの意見として参考にして頂ければと思います。


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税理士 尾藤武英

税理士 尾藤 武英(びとう たけひで)
京都市左京区下鴨で開業している税理士です。
2010年税理士試験合格(簿記論、財務諸表論、所得税法、相続税法、消費税法)。
2007年から2012年まで「資格の大原」で相続税法の常勤講師として勤務。そのときの経験を活かし、税理士としても相続税の申告業務をメインに活動中です。
詳しいプロフィール(運営者情報)を見る
税理士業の日常をつづるブログ
 京都の税理士・尾藤武英税理士事務所
専門は相続税、会計ソフトはクラウド推しな税理士事務所です。
代表税理士がすべての業務を直接担当。
元講師の経験を活かしたわかりやすいアドバイスでお困りごとを解決します。
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