「先駆者の真似をして、いいところをどんどん取り入れてみる」というのは何事にも大切な考え方です。
ただ、税理士試験の勉強では、単に「真似をする」だけで終わってはいけません。
真似をするだけではなく、それを吸収して自分のものにすることこそが「学習」です。
この記事を書いた人
2007年から2012年まで「資格の大原 税理士講座」で相続税法の常勤講師として勤務。
受験経験者コースを主に担当し、2012年には全国統一公開模擬試験の計算問題の作問も担当しました。
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税理士試験の勉強方法・攻略法まとめ
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人の真似をして同じ結果が出ないのは当たり前
税理士として(というか、1人の人間として)生きていると、たまに
「あの人がやっているとおりにやってみたけどなかなか結果が出ません(または、結果が出ないのでやめちゃいました)」
という意見を目にすることがあります。
それは当然です。
同じことをやったとしても、
- 人間としての能力や性格、体力、年齢
- 過去の経験
- 職業として強みにしている(したいと思っている)こと
- やっていることと自分との相性
-
地域性や時代など、自分が置かれている環境
これらが同じでない以上、同じ結果が出るわけがないのです。
なので、それを求めること自体がそもそも間違っていると言えます。
見て触れたことを「自分のフィルター」に通してみる
大切なのは、教わったことをただ真似するだけではなく、それをいかに自分の中で消化して、自分のものとして実行していくか。
そのためには、
「あの人はこう言っていたけど、それは自分にも当てはまるのだろうか。」
「自分にはこっちの方がしっくりくるかも。」
など、見て触れたことを「自分の考え」というフィルターに通してみることが重要です。
また、こうした思考が無いと、
- 『そもそもその結果は自分に本当に必要なのか』が見えず
- ダラダラと続けている(ことに満足してしまう)だけでいつまで経っても結果が出ず
-
やっていることが自分ではなく他人の利益になっている(ことに気付かない)
という状態にも陥りがちです。
独立して仕事をしていくにあたっては、
「そうした能力=自分で考えて動くこと」が特に必要だと痛感しています。
税理士試験の勉強も同じ。早期合格&将来に活かすために動く
そして、これは税理士試験の勉強にも活かせる話です。
厳しい言い方ですが、過去、税理士試験の専門学校で講師をしていたときに感じていたのが、
「主体的かつ能動的に勉強している人がなんて少ないんだろう」
ということ。
税理士試験の専門学校が出している教材は本当によくできていて、
「これさえやっていれば自然と合格ラインまで導いてくれる」
と言ってもいい代物です。
なので、それに甘えてしまって、
「与えられた教材を、工夫なく、ただ解いているだけ」
という人が本当に多かったんです…。
それで受かれば確かにいいんですが、税理士試験って、そんな気持ちですんなり受かるほど甘いものではありません。
そうして受かっていく人も現実には多いのですが、そういう人たちの大半が、結果として、合格までの時間を要してしまっている。
(かく言う私自身もそうでした…。)
なぜそうなるのかというと、
みんな合格ラインまでは到達できても、実際に合格するにはそこからさらに突き抜ける必要がある。
でも、受動的に勉強している人って、それが完全に運任せになってしまうんです。
「自分の力で合格まで突き抜ける」という状態に持っていくことができないので。
- 「なぜ自分はこんな間違いをしたのか」を疑問に感じながら復習をする
-
「この資料やこの文言からどんな論点が問われるか」
「こんなことが問われたらどう答えたらいいのか」
「この問題はなぜいつもこんな出題パターンなのか」
を考えながら解答する
などなど、自分なりの創意工夫(自分で考えて動くこと)が無ければ合格力は上がりません。
受験生の方、特に、独立を視野に入れて勉強されている方は、今のうちからそうした姿勢で勉強を続けることを強くオススメします。
それが早期合格への近道となることはもちろん、そこで培った力は合格後にも絶対に活きてきますので!
あとがき
ただ、税理士試験が難しいのは、創意工夫を超えて「自分の色を出す」まではやらない方が無難だという点ですね。
↓ここにも書いたように、あの試験は完全に横並びの試験なので(^^;
税理士試験に頭の良さ=思慮深さは不要【解答マシーンになれ】
私自身の合格体験はもちろん、講師時代に得た経験や情報をぎゅぎゅっと凝縮しました。
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