講師初心者はウケ狙い厳禁!まずは喋りそのものを磨くべし

講師初心者はウケ狙い厳禁!まずは喋りそのものを磨くべし

セミナーや研修に受講者として参加するとき。
また、自分自身が講師としてスタンドするとき。
これらのときに、

  • 聞き手として「絶対にやめて欲しい」と思うこと
  • 喋り手として「絶対にしない」と決めていること

が1つあります。

それは、セミナーや研修で無理やりウケを狙う(小ネタを挟む)ことです。

喋っている最中に効果的に小ネタを挟むことは意外と難しいスキルです。
初心者ほどそれをやりたがるのですが、初心者がそれをやったら確実にヤケドします。(=その場がシラけてしまう)

セミナーや研修の講師がまず磨くべきは「小ネタ」ではなく「喋りそのもの」です。
聞き手が求める「面白さ」を見誤らないようにしましょう。

この記事を書いた人


税理士 尾藤武英
税理士 尾藤 武英(びとう たけひで)
京都市左京区下鴨で開業している税理士です。
過去に税理士試験の予備校で相続税を教えていた経験から、相続税が専門分野。Macユーザーで会計ソフトはクラウド推し。
事務所開業以来、自作ホームページ(ここ)や各種SNSなど、ネット上での情報発信にも力を入れています。
詳しいプロフィール(経歴や活動実績など)
本記事の内容やテキスト・画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。
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講師初心者ほどウケ狙いで自爆してしまう

税理士は業務に関する研修の受講が税理士法で義務化されているので、私もセミナーや研修にはよく参加します。

また、時には自分が講師として登壇することもあります。
先日も京都司法書士会さんでお話をさせていただきました。

…これは個人的な意見なんですが、
聞き手として参加したセミナーや研修で講義中にわざわざ時間を取って無駄なウケ狙いや小ネタをぶち込むような講師に出会うと萎えます。
また、その講師の喋りが下手だった場合には、それがやがてムカつきに変わります(^^;
さらにそれで延長でもしようものならもう…(以下自粛)

面白いことに、この状態は人前で喋り慣れていない人(講師初心者)ほど陥りやすいです。
人前で喋ることに慣れている講師は小ネタの挟み方が巧くて聞き手にストレスを与えない。

その違いはどこから出るのか。
それは、喋りにおける優先順位のつけ方です。

優先すべきはあくまでも基礎。ウケ狙いは応用的スキルに過ぎない

何事にも通じる話ですが、
やっぱり基礎って一番大事なんですよね。

  • 基礎がしっかりしているからこそ応用が効くし、
  • 基礎がしっかりしていない状態で応用を追い求めても良い結果は出ない。

ここであなたに質問ですが、
「講義中にウケを狙うこと」は喋りにおける基礎的なスキルでしょうか?
それとも応用的なスキルでしょうか?

間違いなく、応用的なスキルですよね。

小ネタに走ってしまう講師初心者の方はまずはここをしっかりと心得ましょう!
そして、これを自覚すれば、
「ウケ狙いよりも、喋りそのものをしっかりと準備する方が大切だ」
と思えるハズです。

感想が「小ネタが面白かった」しか来ない講義は失敗である

もちろん、
「聞き手が『面白い』と感じる講義にしなければ」
という気持ちはよくわかりますし、講師はそうした気持ちを持ってスタンドすべきです。

でも、まず知っておくべきなのは、
「参加者が求めているのは小ネタではない」
という大前提の事実
です。

聞き手が一番求めているものは、参加したセミナーや研修のテーマに沿った情報です。

  • あなたが参加者に最も伝えたいことは小ネタですか?
    そうではないですよね?
  • あなたの職業はお笑い芸人ですか?
    そうではないですよね?

であれば、小ネタはあくまでもプラスαの要素にとどめるべきです。
もっと言えば、講義の内容自体で「面白い」と感じてもらえるような喋りを心掛けましょう。

参加者からセミナーの感想を聞いたときに
あのネタが面白かったです。」
しか返ってこなかったとしたら、その講義は失敗と言っていい
でしょう。

「自分は喋りが拙い」
と自覚している人であればあるほど、まずは喋りそのものの準備をしっかりやることを優先すべきです。

【自分の場合】小ネタはちょくちょく挟んでいます

とはいえ。
じゃあ私が講義で小ネタを一切挟まないのかというと、それはむしろ逆で。
私は税金関連の堅い話をする機会が多いので、それらを少しでもやわらかくするために、ちょくちょく小ネタを挟むように心がけています。

小ネタの挟み方には注意を払っています

ただ、その小ネタの挟み方には結構注意を払っています。

  • 講義中の小ネタは見ている項目に沿ったもの(講義内容の理解が進むようなもの)にとどめ、話の前後の流れをぶった切らない
  • 前後の流れをぶった切るような小ネタは休憩明けに入れる

などなど。
決して「今から面白いこと言いますよ!」みたいに形式張らず、自然と小ネタがちょくちょく入ってくるようなイメージで使っています。

あと、当然の話ではあるものの、
著作権や肖像権の侵害はしないことも心がけています。
(芸能人やアニメキャラを使った小ネタはご法度ですよ〜。)

この記事の一番最初の章で
「人前で喋ることに慣れている講師は小ネタの挟み方が巧くて聞き手にストレスを与えない。」
と書きましたが、これは自戒を込めて書いています…。
(自分もそういう講師でありたいものです(汗))

まとめ ウケ狙いは喋りに慣れてからでいい!

いざ「人前で喋ってくれ」と言われたとき、普段から快活で明るい人ほど
「何か小ネタを挟んでウケを狙わなきゃいけない」
と思ってしまうようです。
私は陰キャでそんなこと全然思わなかったので逆に羨ましいのですが(^^;

でも、それが「実際に巧くできる」のはある程度喋り慣れている人だけです。
最初は愚直に、小ネタ以外の喋りそのものを上手くやることに専念すること!
それを繰り返しているうちに、自然と小ネタを挟む余裕が出てきますので。

具体的には、

  1. よどみなく喋る
  2. わかりやすく喋る

  3. これらができて初めて

  4. 面白く喋る

を追求していくべきです。

ちなみに、私の税理士試験講師時代はそんな状態になるまでに丸2年かかりました…。
講師3年目の始めぐらいにやっとそんな余裕が出てきたというか。
でも、私はかなり不器用な人間なので、普通の人ならもっと短い時間でコツが掴めるハズです。

繰り返しになりますが、セミナーや研修の講師がまず磨くべきは「小ネタ」ではなく「喋りそのもの」です。
聞き手が求める「面白さ」を見誤らないようにしましょう。

びとう
逆に言えば、そこまで肩肘張らなくても大丈夫!ってことです。
真面目に取り組んでいることが伝われば、聞き手もきっと満足してくれますよ(^^

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 京都の税理士・尾藤武英税理士事務所
代表税理士がすべての業務を直接担当。
元予備校講師の経験を活かしたわかりやすいアドバイスでお困りごとを解決します。
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税理士 尾藤 武英(びとう たけひで)
京都市左京区下鴨で開業している税理士です。
過去に税理士試験の予備校で相続税を教えていた経験から、相続税が専門分野。Macユーザーで会計ソフトはクラウド推し。
事務所開業以来、自作ホームページ(ここ)や各種SNSなど、ネット上での情報発信にも力を入れています。
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