今年(2017年度)の税理士試験まであと約3ヶ月ですね。
元受験生として、そして、元講師として、今この時期の受験生の方にお伝えしたいこと。
それは、個別問題を重視して計算の基礎を固めよう!ということです。
この記事を書いた人
2007年から2012年まで「資格の大原 税理士講座」で相続税法の常勤講師として勤務。
受験経験者コースを主に担当し、2012年には全国統一公開模擬試験の計算問題の作問も担当しました。
詳しいプロフィール(運営者情報)
税理士試験の勉強方法・攻略法まとめ
ブログ記事の執筆・編集方針及び注意事項(免責事項・著作権など)
基礎固めが何よりも重要
去年、このような記事を書いています。
ご存知のとおり、税理士試験は実質相対試験です。
税理士試験に限らず、世に数多ある相対試験の攻略に最も必要とされるのは、どんな状況であれ、Aランク項目は必ず取ること。
そのためには基礎固めが何よりも重要であり、基礎固めには計算の場合、↓この記事でも書いているように個別問題の反復が有効です。
そして、個別問題の反復をおすすめする理由は他にもあります。
総合問題は個別問題の集合体に過ぎない
それは、「総合問題は所詮個別問題の集合体に過ぎない」ということです。
特に、私が担当していた相続税法の計算なんかはその要素が強いです。
中でも、財産評価、特に、非上場株式の評価や宅地の評価なんかはまさにそうかと。
そうした問題の場合、最も問われるのは総合問題特有の集計力ではなく、各個別論点の解答スピードです。
相続税法の場合で言えば、財産評価の算式をいかにスムーズに組めるかが一番のポイントで、そのためには、
評価算式がしっかりと頭の中に入っていること
に加えて、
問題の中から評価に必要な資料を迅速にピックアップする力
も必要です。
そして、個別問題を反復することでこれらの課題は同時に解決できます。
必要な資料をピックアップする能力に関しては総合問題を解かないと付かないイメージが強いですが、そんなことは全然なくて。
むしろ、個別問題の反復によって、
「この財産を評価するために必要な資料はなんなのか」
が自分の中で明確になり、それを続けることで、総合問題の膨大な資料の中からも必要なものをスムーズにピックアップできるようになります。
総合問題はこれからナンボでも解く機会がある
確かに、数字の集計や資料の読み取り方(必要な数字をどこから拾うのか)などについては、総合問題を解くことでしか得られない・育てられない「感覚」みたいなものは確実に存在します。
でもそれは、これから先の授業内や答練の中で解く問題を通じてナンボでも鍛錬でき、かつ、得られる感覚です。
また、総合問題には時間を食うという欠点もあります。
総合問題って1題解くだけでだいたい1時間は食われるじゃないですか。
しかも、解いた後は無駄な「達成感」まで出てくる(^^;
おまけに、その問題の中には自分の中で
「これは絶対合わせられるな」
という簡単な論点も少なからずあるはず。
1題総合問題を解くということはそんな論点にも強制的に時間が割かれるということです。
これはちょっともったいない時間の使い方じゃないかなぁ、と。
個人的には、宿題の範囲を超えて総合問題を解くことは今後は一切しなくていいと考えます。
(働きながら勉強されている方など、勉強の時間がなかなか取れない方は特に。)
ただし、そうは言っても過去問だけは例外ですが。
総合問題でしか得られない感覚は過去問から得るのが一番です!
でも、やみくもに解くのはダメですよ
もちろん、いくら「個別問題を解く!」と言っても、ただやみくもに解けばいいわけではありません。
- 問題で与えられた資料の意味を考えながら解く
-
並行して該当箇所のテキストの読み込み(熟読レベル)も進める
ことも忘れずに行いましょう。
そうしないと効果半減です。
このことは↓以下の過去記事で詳しく書いています。
あと、Oに通っている方であれば、Oで与えられた教材をやるのは当然として、O以外の教材(Tの外販教材)を買って解いてみるのもいいですね。
(いいですね、というか、個人的にはそこまでは最低限やるべきだ、と思っていますが…。)
授業内での答練は総合問題を解ける貴重な機会として大切にする。
そして、授業以外での限られた勉強時間は個別問題の反復やテキストの読み込みによる個別論点の地固めに充てる。
今年合格を勝ち取るために、個別問題の重要性をここで再度見直しましょう!
【関連記事】
私自身の合格体験はもちろん、講師時代に得た経験や情報をぎゅぎゅっと凝縮しました。
税理士試験の勉強方法・攻略法のまとめ【元O原講師が綴る】へ
税理士試験合格に必要なのはAランク(基本論点)を合わせる力