香典返し費用はOK?相続税の計算で引ける葬儀費用の範囲とは

会葬御礼袋と香典袋

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京都市左京区で開業している税理士です。元税理士試験受験予備校「相続税法」講師。相続税や所得税など「個人の方にかかる税金」に特化した税理士として活動中。個人で運営し、「税理士が直接お客様に全てのサービスを提供すること」を大切にしています。詳しいプロフィール「DEEN 税理士」「Nikon 税理士」で検索1位な個人ブログはこちら

今回は、相続税の計算での葬儀費用の取り扱いについて記事にしてみます。

相続税の計算では、

・亡くなった方(=被相続人)が亡くなった時点で抱えていた借金などの債務

・亡くなった方の葬儀に要した費用(相続税の計算では「葬式費用」と呼んでいます)

これらがある場合には、その金額を相続した財産(プラスの財産)の金額から差し引くことができます。
(これを「相続税の債務控除」と呼んでいます。)

そう言われると、
「じゃあ、お葬式に関連する費用なら何でも引けるの?」
と思うかもですが、残念ながらそういうわけではありません、というのがこの記事の内容です。

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葬儀費用には「引けるもの」と「引けないもの」がある

ひと口に「お葬式に関連する費用」と言っても、その範囲は幅広くて細かいです。

会葬御礼費用と香典返戻費用の相続税での取り扱いは正反対!

たとえば、弔問に訪れた方への返礼品1つにしても、

お葬式に参列してくれたことに対するお礼として葬儀当日に渡す「会葬御礼」

香典を頂いたお礼として忌明けなどに送る「香典返し」

の2種類があります。

会葬御礼袋と香典袋

どっちも同じような性質のお金に思えますが、これらの相続税の計算での取り扱いは正反対です。

結論を言えば、
「会葬御礼費用」は葬式費用として引けますが、「香典返戻費用」は引くことが認められません。

この扱いの違いはどこから来ているんでしょう?

通達で具体的な範囲が決められています

実は、これを具体的に定めている文章があります。
相続税についての細かな取扱いを定めている「相続税基本通達」というものの中に、こんな記述があるんです。

(葬式費用)
13-4 葬式費用として控除する金額は、次に掲げる金額の範囲内のものとする。
(1) 葬式若しくは葬送に際し、又はこれらの前において、埋葬、火葬、納骨又は遺がい若しくは遺骨の回送その他に要した費用(仮葬式と本葬式とを行うものにあっては、その両者の費用)
(2) 葬式に際し、施与した金品で、被相続人の職業、財産その他の事情に照らして相当程度と認められるものに要した費用
(3) (1)又は(2)に掲げるもののほか、葬式の前後に生じた出費で通常葬式に伴うものと認められるもの
(4) 死体の捜索又は死体若しくは遺骨の運搬に要した費用

(葬式費用でないもの)
13-5 次に掲げるような費用は、葬式費用として取り扱わないものとする。
(1) 香典返戻費用
(2) 墓碑及び墓地の買入費並びに墓地の借入料
(3) 法会に要する費用
(4) 医学上又は裁判上の特別の処置に要した費用

引用元:第13条《債務控除》関係|国税庁

ちょっと見にくいので該当する箇所だけを太字にしました(^^;

下半分の「葬式費用でないもの」の(1)に「香典返戻費用」って思いっきり書いてありますよね。
逆に、会葬御礼費用は、上半分の「葬式費用」の(2)にある「葬式に際し、施与した金品」の中に含まれます。

考え方は2つです!

上の文章、長ったらしくて結局何が書いてあるの?と思われるでしょうが、考え方は↓ここに挙げているたった2つです。

・宗派を問わず、全ての方が葬儀の前後に必ず負担する費用はOK!
・特定の人しか負担しない費用や、相続税や贈与税で非課税となっている財産に対応する費用はNG!

具体的には、お通夜や本葬の費用はもちろんのこと、

・お通夜や本葬での食事代
・遺体の運搬費用や火葬場への移動のためのタクシー代
・お坊さんに払うお布施や戒名料

などについても、葬儀に関して払った費用であれば支払先がどこであれ控除が認められますし、
逆に、

・遺体の解剖費用
・法要(法会)の費用

などは、「葬儀に関して」「全ての方が」負担する費用では無いので控除は認められません。

あと、香典返戻費用や墓地仏壇の購入費用については

・香典返戻費用=贈与税で香典収入が非課税となっているのでNG。
・墓地や仏壇の購入費用=相続税でこれらが非課税となっているのでNG。

という理屈です。
「プラスで入ってくるものは非課税なのにあげた場合だけ引けるとか、そんなオイシイことはさせへんで!」
って感じでしょうか(^^;

じゃあ「即日返し」のお金は…?

ちなみに、通夜や葬儀の日に香典返しを渡してしまう「即日返し」というしきたりを採られる方も多いかと思われますが、そうしてお渡しした金品の費用も香典返しの範囲に含まれるので葬式費用として引くことはできません。

いつ返すかは問わず、
「香典として貰ったもののお返しとしてあげたものの購入費用は葬式費用としては引けない」
と押さえておいて下さい!

この場合、葬儀会社から発行された葬儀費用の明細を見て、即日返し費用の分を抜かなければいけなくなります。
申告する側としてはちょっと面倒な作業になりますね…。

ご自身で作成される場合はもちろん、我々が申告書を作るときも、葬儀会社が発行した葬儀費用の明細書は必ずチェックしますので、それらの書類は捨てずに保管しておいてくださいね。

以上、この記事では、相続税の債務控除で「葬式費用」として引けるものと引けないものの違いを確認しました!


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