「相続税の申告書作成時の誤りやすい事例集」は税理士も納税者も要チェック!

国税庁「相続税の申告書作成時の誤りやすい事例集」は要チェック!

我々税理士も、そして、税理士に相続の仕事をお願いしたい!という一般の納税者の方も。

両方にとって見逃せないのが、国税庁のホームページにあがっている「相続税の申告書作成時の誤りやすい事例集」というコーナーです。
相続税の申告書作成時の誤りやすい事例集|国税庁

※旧レイアウト時代の事例集トップのスクリーンショット
旧レイアウト時代の事例集トップ

この記事では、このコーナーの内容を紹介した上で、その中でも
「ここは納税者の皆さんにとって要注意!」
と思うポイントをいくつか紹介していきます。

びとう
びとう
【この記事は私が書きました】
税理士・尾藤 武英(びとう たけひで)
京都市左京区で開業している税理士です。
過去に税理士試験の予備校で相続税を教えていた経験から、相続税が専門分野。
事務所開業以来、相続税や贈与税の申告、相続税対策など、相続税に関する業務を多数行っています。
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国税庁が「ここは間違いが多いで〜」という点を挙げてくれている

「相続税の申告書作成時の誤りやすい事例集」というのは、国税庁が
「相続税の申告書でこんな間違いが目立つから気をつけてや〜!」
という項目を列挙して紹介してくれているものです。
全部で14項目あります。

昔はこんなのは無かったんですが、平成27年の相続税の改正(基礎控除が4割も下がりました)を受けてか、同年から公開が始まりました。

税務署が「ここは間違いが多いで〜」と言っているということは、最低限これらのポイントは税務署も必ずチェックをしているということ。
そういう意味では、一般の方はもちろん、申告書を作る我々税理士にとっても参考になる資料と言えます。

全部で14項目あります

コーナーで紹介されている事例は全部で14項目ありますが、
「相続税の申告は税理士にお任せする」ことを前提とすると、これら14個の項目については

・申告書を作成する税理士がしっかりチェックすべきポイント

・納税者の方にも知っておいて頂きたいポイント

の2つに分かれます。
以下、それぞれごとに全14項目を紹介していきます!

税理士がチェックすべきポイント

まずは「税理士がしっかりチェックすべきポイント」の紹介から。
全部で10個あります。

…といっても、こちらは手短に項目列挙のみです。
税理士の皆さん、これは忘れないように&間違えないようにしましょう。
(自戒を込めて…。)

納税者の方にも知っておいて頂きたいポイント

ここからが今日の本題です!
申告書を作成する税理士だけではなく、納税者の皆さんにもあらかじめ知っておいて頂きたいのは以下の3点の取扱いです。

その1:名義は他人でも実質亡くなった人の財産として相続税がかかる場合がある!

詳しい内容はそれぞれのPDFファイルを見て頂くこととして、これらのファイルで言いたい内容は
「たとえ名義は他人でも、実質的に亡くなった人の遺産だと認められるものには相続税がかかりますよ!」
ということです。

この点については以前「税務署に指摘されやすい名義預金。相続税課税を防ぐために必要なこととは」という記事でも紹介しました。

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相続税の名義預金への課税を防ぐには?

詳しくは上の記事をご覧頂くとして、ここで押さえて頂きたいのは相続税は名義ではなく実質で判断だということです。

そして、特に税務署の目が厳しいのが現預金や株式などの金融資産です。
税務調査で指摘されるケースの大半が
「他人名義の資産を被相続人の遺産に入れて申告し直せ!」
という、名義財産の申告漏れに集中しています。

ここはしっかりと意識をしておいて下さいね。

その2:相続開始日から遡って3年の間に被相続人から贈与でもらった財産に注意!

実は、

・今回の相続で財産を取得した相続人など(遺言で取得した人や生命保険金などの「みなし相続財産」だけを取得した人も含む)が
・亡くなった日からさかのぼって3年以内(相続開始日が平成28年7月11日なら平成25年7月11日以降)に
・亡くなった人から贈与で財産をもらったことがある場合

には、その過去に贈与でもらった財産にも相続税がかかってきます。
(これを「生前贈与加算」と呼んでいます。)

さらに、この規定で相続財産に足さなきゃいけない贈与財産は贈与税の基礎控除(110万円)以下のものも含みます。
たとえ10万円でも、極端な話たった1円でも、相続で財産を取得した人が過去3年の間に被相続人から贈与でもらっているものであれば、そのお金は相続財産に加えなければいけません。

この点については「生前贈与加算とは?死亡前3年以内の贈与財産にも相続税がかかる!?」という記事で詳しく解説しています。

ここも名義財産同様、申告漏れが非常に生じやすいところですので注意が必要です!

その3:保険事故未発生の契約でも被相続人が払っていた保険料は相続財産になります!

保険金といえば、

「被保険者、保険料負担者(=一般的には保険契約者)がともに亡くなった人」

な保険契約にかかる保険金を取得した場合、受取人には相続税がかかります。
もし保険料負担者が自分なら所得税、他人なら贈与税がかかります。

いずれも、「被保険者が亡くなった人」だというのが大前提です。

でも、実は「被保険者が亡くなった人以外(=まだ保険事故は発生していない)」の契約であっても、亡くなった人の遺産として課税される場合があります。
どんな場合かといえば、亡くなった人が保険料を負担していた場合です。

その場合、「死亡時点での解約返戻金相当額」に対して相続税がかかります。

生命保険の契約はもちろんのこと、有名なところでは、JAの建物更生共済契約の掛金などもこの部類の財産にあたります。
国税庁のホームページにも取り扱いが挙がっているほどです。
建物更生共済契約に係る課税関係|国税庁

平成30年以降は税務署も完全に把握してきます

ここについては、今は正直言って税務署側も100%把握する術はまだありません。
ただ、平成27年度の税制改正で、平成30年1月1日以降に死亡によって保険契約者(保険料負担者)が変更された場合、変更者情報と解約返戻金相当額が保険会社から税務署に通知されることになりました。
平成30年以降は申告漏れがモロバレな状況になってしまうということです(^^;

皆さんも、「被保険者が亡くなった人」の保険契約だけじゃなく、
・まだ保険事故が発生していない「契約者が亡くなった人」な保険契約
・過去に契約者変更があった保険契約

などがあれば、その内容も必ず税理士に伝えるようにして下さいね。

相続税申告に慣れている税理士なら必ず「そんな契約はありませんか?」と聞いてくるはずですので、その場合は素直に(笑)その指示に従って下さい。

国税庁「相続税の申告書作成時の誤りやすい事例集」のまとめ

以上、この記事では、国税庁のホームページで紹介されている
「相続税の申告書作成時の誤りやすい事例集」
の内容と、その中でも、特に納税者の方に知っておいて頂きたい情報をいくつか紹介してみました。

相続税対策にも繋がる話なので是非押さえておいて下さい!

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