相続税はどんな財産に対してかかる?

相続税ってどんな財産に対してかかるんでしょうか?

以前
相続税がかかる財産取得の理由は3つ。相続、遺贈、死因贈与
相続税はいくらからかかる?判定の流れをわかりやすく解説します
という2つの記事でも紹介しましたが、相続税は

  • 亡くなった人(=被相続人)から財産を相続した場合に
  • その相続した財産の「相続税評価額」の合計が「基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)」を超えるとき

にその超える部分の金額に対してかかってくる税金です。

では、その「相続税がかかる財産」にはいったいどんな種類のものがあるんでしょうか?
この記事ではその辺りを詳しく紹介していきます。

この記事の運営元:京都市左京区の尾藤武英税理士事務所
税理士試験受験予備校「相続税法」の元講師が運営する税理士事務所です。
わかりやすいアドバイスで皆様をサポートいたします。

亡くなった人が持っていた財産でお金に換えられるものにかかる!

どんなものが相続税がかかる「財産」の範囲に含まれてくるのか。

結論から言うと、
「亡くなった人が亡くなった時点で持っていた財産で、お金に換えられる価値があるもの全て」
です。

国税庁の↓こちらのページでも

1 相続税がかかる財産

相続税は原則として、死亡した人の財産を相続や遺贈(死因贈与を含みます。)によって取得した場合に、その取得した財産にかかります。この場合の財産とは、現金、預貯金、有価証券、宝石、土地、家屋などのほか貸付金、特許権、著作権など金銭に見積もることができる経済的価値のあるすべてのものをいいます。

引用元:No.4105 相続税がかかる財産|国税庁

と書いています。

事業用の資産や棚卸資産、家具や車などの家庭用財産、細かいところでは電話加入権まで。
お金に替えられるものは全て相続税の課税の対象です。

こんなものも相続財産です

上の
「亡くなった人が亡くなった時点で持っていた財産」
とか
「お金に換えられる価値があるもの」
という文章をもう少しわかりやすく言い換えると、
「もし亡くなった人が生きていたとしたら、その人の財産として返ってくるもの」
のことを指します。

そう考えると、たとえば

  • 亡くなった人が生前に払っていた掛金などで解約したらお金が戻ってくるもの
    (例:JAの建物更生共済契約の掛金、葬儀会社に払っていた会費など)
  • 死亡後に支払われた給与や賞与、支払期限が過ぎていて未収の状態になっていた家賃など
  • 健康保険組合から支払を受けた高額療養費の還付金
  • 所得税の準確定申告で戻ってきた還付金
    (還付加算金(↓下記参照)は除く)
  • 上場会社の株式のうち「端株」と呼ばれる、取引の1単元未満の株式

なども、亡くなった人が健在であればその人に返ってくるお金なので、相続財産として相続税の課税の対象になります。

最後に挙げている「端株」については以下の記事で解説しています。
上場株式の相続では端株(単元未満株)の存在も要チェック!

こんなのは相続財産にはなりません

逆に、

  • 死亡により戻ってきた老人ホームの入居一時金を遺族が受け取った場合
    →死亡時に、亡くなった人から受取人に対して贈与があったと考えます。
  • 健康保険組合から支払を受けた葬祭費や埋葬料
    →遺族に対して支払われたお金なので相続財産には含まれません。
  • 亡くなった人への未支給の国民年金(亡くなった人と生計を一にしていた親族が受け取るもの)
    →親族自身の固有の権利として受け取るお金なので、受け取ったその人自身の所得(一時所得)と考えます。
  • 所得税の準確定申告で戻ってきた還付加算金
    →亡くなった人が払っていたお金ではない+相続人が準確定申告をすることによって戻ってきたお金なので、相続人自身の所得(雑所得)と考えます。

などは、それぞれ書いている理由から相続財産にはなりません。

ひとことで
「亡くなった人が亡くなった時点で持っていた財産でお金に換えられる価値があるもの」
と言っても、その中身はとても奥が深いです。

名義ではなく実質で判断です

以下、「相続税がかかる財産」について考えるにあたって気をつけるべき細かな点をいくつか紹介していきます。

まず1つ目。
「亡くなった人が持っていた財産」にはもうひとつ重要な論点があります。
それは、名義ではなく実質で判断しますよ、ということです。

実は、相続税の税務調査で指摘されるケースの大半が
「子供や孫名義の預金口座を亡くなった方の相続財産に含めずに申告していた」
など、他人名義の財産を相続税の申告から漏らしていたケースなんです。

相続税の計算では、たとえ名義は他人でも、実質亡くなった人の財産だと認められるものについては相続財産に含めて申告をしなければいけません。

これについては「相続税で問題となる名義預金とは。それって贈与「したつもり」になっているかも?」という記事で詳しく紹介しています。

相続税法で相続財産と「みなされる」ものもあります

また、亡くなった人の固有の財産ではないものの、その人が亡くなったことに起因して取得した

  • 生命保険金(亡くなった人が被保険者+保険料負担者だった場合のみ)
  • 退職金
  • 生命保険契約などに関する権利(亡くなった人が保険料負担者だった場合などに発生します)
  • 債務免除益などの経済的利益
  • 信託受益権

なども、法律(相続税法)で課税される財産の中に含めていきます。

生前に貰っていた財産も足されます

さらに、「相続税はいくらからかかる?判定の流れをわかりやすく解説します」という記事でも
「コレも足さんとダメなんですよ」と紹介した、

  • 今回財産を相続した人が、死亡時からさかのぼって3年以内に、亡くなった人から「暦年贈与」で貰っていた財産
  • 生前に亡くなった人から「相続時精算課税贈与」で貰っていた財産

についても、相続税の計算に入れなければいけません。

この場合、贈与税の基礎控除(財産を貰った人1人につき年間110万円)を超えているかどうかは問わない点にも注意が必要です。

国外に住んでいればかかる財産の範囲が狭くなることも

また、亡くなった人や相続人など財産を取得した方が
「どこに住んでいる何人なのか(日本人なのか外国人なのか)」
によって、世界中の財産が課税の対象になるのか、国内にある財産だけが課税の対象になるのかも変わります。

これについては、「外国にある財産には相続税も贈与税もかからない!?「納税義務者」の種類とその分け方」という記事で詳しく触れています。

まとめ

以上、今日は「どんな財産に対して相続税がかかってくるのか」についていろいろと見てきました。
ひとことで「財産」といっても、その奥にはいろんな考えがあるんだ、ということがお分かり頂けましたでしょうか!?

意外と幅広いんやなぁ、と思われたかと思いますが、基本的な考え方は何度も言いますが
「亡くなった人が亡くなった時点で持っていた財産でお金に換えられる価値があるもの全て」
です。

これに当てはまるものには相続税がかかってきますので気を付けて下さいね。

【まとめページのご案内】
当サイトで相続税・贈与税について解説している記事を一覧でまとめました。
この記事以外にも、基本的な内容からマニアックな話まで、全記事の一覧は↓こちらをクリック!
【テーマ別に紹介】相続税・贈与税の解説記事のまとめページを見る
おすすめ記事

「相続税や贈与税ってどんな税金?」そんな疑問を解消するべく、当サイトで相続税や贈与税について解説している記事を一覧でまとめました。一般の方向けの内容から税理士向けのマニアックな話までいろいろありますが、一般の方はまずは「1.[…]

相続税・贈与税 解説記事の全記事一覧
相続でお困りの方へ:お気軽にご相談ください!【全国対応可能です】
京都市左京区の尾藤武英税理士事務所では、相続税に関するご相談や申告のご依頼をお受けしています。
税理士試験受験予備校「相続税法」の元講師である税理士が、わかりやすいアドバイスで皆様をサポートします。
尾藤武英税理士事務所サイトトップページへ
仕事のご依頼・お問い合わせはこちら
この記事は、投稿日現在の法律・状況などに基づいて書いています。
このサイトの閲覧・利用にあたっては、免責事項に合意されたものとして取り扱わせていただきますのでご了承ください。
>お気軽にご相談・お問い合わせください!

お気軽にご相談・お問い合わせください!

弊所へのご依頼に関する面談は無料にて承っております。
お問い合わせはメールフォームまたはお電話にてお受けいたします。

CTR IMG