相続税はどんな財産に対してかかる?

この記事は約 5 分で読めます。

 

相続税ってどんな財産に対してかかるんでしょうか?

以前
相続税がかかる財産取得の理由は3つ。相続、遺贈、死因贈与
相続税はいくらからかかる?遺産の総額と相続人の数で決まります
という2つの記事でも紹介しましたが、相続税は

・亡くなった人(被相続人)から財産を相続したり遺言で貰ったりした場合に
・その貰った財産の価額の合計が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えるとき

にその財産を貰った人たちにかかってくる税金です。

では、その「相続税がかかってくる財産」にはいったいどんな種類のものがあるんでしょうか?
今日はその辺りを詳しく紹介します。

亡くなった方が持っていた財産で価値のあるもの

どんなものが相続税がかかる「財産」の範囲に含まれてくるのか。

結論から言うと、
「亡くなった方が亡くなった時点で持っていた財産で、お金に換えられる価値があるもの全て」
です。

国税庁の↓こちらのページでも

1 相続税がかかる財産

相続税は原則として、死亡した人の財産を相続や遺贈(死因贈与を含みます。)によって取得した場合に、その取得した財産にかかります。この場合の財産とは、現金、預貯金、有価証券、宝石、土地、家屋などのほか貸付金、特許権、著作権など金銭に見積もることができる経済的価値のあるすべてのものをいいます。

引用元:No.4105 相続税がかかる財産|国税庁

と書いています。
事業用の資産や棚卸資産、家具や車などの家庭用財産、細かいところでは電話加入権など。
お金に替えられるものは全て相続税の課税の対象です。

こんなものも相続財産です

上の「亡くなった方が亡くなった時点で持っていた財産」という文章をもう少しわかりやすく言い換えると、
「もし亡くなった方が生きていたとしたら、その方の財産として戻ってくるもの」です。

そう考えると、たとえば

・亡くなった方が生前に払っていた掛金などで解約したらお金が戻ってくるもの
(例:JAの建物更生共済契約の掛金、葬儀会社に払っていた会費など)

・死亡後に支払われた給与や賞与、支払期限が過ぎていて未収の状態になっていた家賃など

・健康保険から支払を受けた高額療養費の還付金

・所得税の準確定申告で戻ってきた還付金
(還付加算金(↓下記参照)は除く)

なども相続財産として相続税の課税の対象になります。

こんなのは相続財産にはなりません

逆に、

・死亡により戻ってきた老人ホームの入居一時金を遺族が受け取った場合
→死亡時に亡くなった方から受取人に対して贈与があったと考えます。

・健康保険から支払を受けた葬祭費や埋葬料
→遺族に対して支払われたお金なので相続財産には含まれません。

・亡くなった方への未支給の国民年金(亡くなった方と生計を一にしていた親族が受け取るもの)
→親族自身の固有の権利として受け取るお金なので、受け取った方自身の所得(一時所得)と考えます。

・所得税の準確定申告で戻ってきた還付加算金
→亡くなった方が払っていたお金ではない+相続人が準確定申告をすることによって戻ってきたお金なので、相続人自身の所得(雑所得)と考えます。

などは、それぞれ書いている理由から相続財産にはなりません。

ひとことで
「亡くなった方が亡くなった時点で持っていた財産でお金に換えられる価値があるもの」
と言っても、その中身はとても奥が深いです。

名義ではなく実質で判断です

以下、「相続税がかかる財産」について考えるにあたって気をつけるべき細かな点をいくつか紹介していきます。

まず1つ目。
「亡くなった方が持っていた財産」にはもうひとつ重要な論点があります。
それは、名義ではなく実質で判断しますよ、ということです。

実は、相続税の税務調査で指摘されるケースの大半が
「子供や孫名義の預金口座を亡くなった方の相続財産に含めずに申告していた」
など、他人名義の財産を相続税の申告から漏らしていたケースなんです。

相続税の計算では、たとえ名義は他人でも、実質亡くなった方の財産だと認められるものについては相続財産に含めて申告をしなければいけません。

これについては「その贈与、贈与「したつもり」になっていませんか?」という記事で詳しく紹介しています。

相続税法で相続財産と「みなされる」ものもあります

また、亡くなった方の固有の財産ではないものの、その方が亡くなったことに起因して取得した

・生命保険金(亡くなった方が被保険者+保険料負担者だった場合のみ)
・退職金
・生命保険契約などに関する権利(亡くなった方が保険料負担者だった場合などに発生します)
・債務免除益などの経済的利益
・信託受益権

なども、相続税法の決まりで課税される財産の中に含めていきます。

生前に貰っていた財産も足されます

さらに、以前「相続税はいくらからかかる?遺産の総額と相続人の数で決まります」という記事でも「足さんとダメなんですよ」と紹介しましたが、

・今回の相続で財産を貰った方が相続開始前3年以内に亡くなった方から「暦年贈与」で貰っていた財産
・「相続時精算課税贈与」で貰っていた財産

についても、相続税の計算に入れなければいけません。

この場合、贈与税の基礎控除(財産を貰った人1人につき年間110万円)を超えているかどうかは問わない点にも注意が必要です。
参考記事財産を貰った時期に注意!110万円以内の生前贈与に相続税がかかることも

国外に住んでいればかかる財産の範囲が狭くなることも

また、亡くなった方や相続人など財産を取得した方が
「どこに住んでいる何人なのか(日本人なのか外国人なのか)」
によって、世界中の財産が課税の対象になるのか、国内にある財産だけが課税の対象になるのかも変わります。

これについては、「外国にある財産には相続税も贈与税もかからない!?「納税義務者」の種類とその分け方」という記事で詳しく触れています。

まとめ

以上、今日は「どんな財産に対して相続税がかかってくるのか」についていろいろと見てきました。
ひとことで「財産」といっても、その奥にはいろんな考えがあるんだ、ということがお分かり頂けましたでしょうか!?

意外と幅広いんやなぁ、と思われたかと思いますが、基本的な考え方は何度も言いますが
「亡くなった方が亡くなった時点で持っていた財産でお金に換えられる価値があるもの」
です。

これに当てはまるものには全て相続税がかかってきますので気を付けて下さいね。

ご案内

相続税・贈与税についてまとめたページを作りました
この記事以外にも、基本的な内容からマニアックな話まで、全記事の一覧は↓こちらをクリック!
【全記事を一覧で紹介!】相続税・贈与税の解説記事のまとめ

相続でお困りの方へ:お気軽にご相談ください!
弊事務所では、相続税に関するご相談や申告のご依頼をお受けしています。
「相続税に強い」税理士が、確かな知識でわかりやすく皆様をサポートします。

AUTHORこの記事を書いた人

京都市左京区で開業している税理士です。元税理士試験受験予備校「相続税法」講師。相続税に強く、クラウド会計に特化した税理士として活動中。
「専門用語をなるべく省いたわかりやすい説明」と「税理士が直接お客様に全てのサービスを提供すること」を大切にしています。
この記事は、投稿日現在の法律・状況などに基づいて書いています。
このサイトの閲覧・利用にあたっては、免責事項に合意されたものとして取り扱わせていただきますのでご了承ください。