法定相続情報一覧図の取り方完全ガイド

法定相続情報一覧図の取り方ガイド
 

昨年5月から始まり、導入から1年が経った「法定相続情報証明制度」
今年の4月からは「法定相続情報一覧図」の相続税の申告書への添付が可能になり、我々税理士にとっても身近な書類になりました。

私も、4月以降に提出した相続税の申告書にはすべてこの一覧図を添付しています。

この記事では、
「自分で相続登記や預金・株の名義変更をするために一覧図を取ってみたい!」
という方のために、「法定相続情報一覧図」を取得するまでの流れを、私自身の経験も交えつつまとめてみます。

法定相続情報証明制度に関連する記事

制度の概要など、基本的な情報は以下の過去記事をご覧ください。
(以下、これらの記事の内容はわかっているものとして進めていきます。)
「法定相続情報証明制度」始まりました。制度の内容をご紹介
法定相続情報一覧図の相続税申告書への添付が可能に!【2018年4月から】

この記事の運営元:京都市左京区の尾藤武英税理士事務所
元税理士試験受験予備校「相続税法」講師が運営する税理士事務所です。
豊富な知識でわかりやすく皆様をサポートいたします!

流れの全体像は?

「法定相続情報一覧図」を取るためには、いろんな書類を揃えた上で、登記所(法務局)に行って交付の申出をする必要があります。

一覧図が自分の手元に来るまでの流れをまとめてみると↓こんな感じです。

【法定相続情報一覧図を取得するまでの流れ】
1:戸籍謄本など、申出に必要とされる書類を集める
 ↓
2:「法定相続情報一覧図」を自分で作る
 ↓
3:「申出書」に記入する
 ↓
4:1〜3の書類を登記所(法務局)に提出する
 ↓
5:交付された「一覧図」を受け取る

以下、1つずつ見ていきましょう!

1:戸籍謄本など、申出に必要とされる書類を集める

まずやらなきゃいけないのは、申出のために必要な書類の収集です。
ここで集めた書類に書かれている情報をもとに2の一覧図や3の申出書を作成しますので、これをやらなきゃ全てが始まりません。

どんな書類が必要かは法務局のホームページに以下のPDFデータがあがっています。
(リンクor画像をクリックでPDFデータが別ウィンドウで立ち上がります。)
必ず用意する書類/必要となる場合がある書類 (PDF形式 : 151KB)
必ず用意する書類/必要となる場合がある書類のリスト

この表に基づいて、必要な書類を1つづつ収集していきましょう。
「自分で取る」という方の場合、①〜⑤(一覧図に住所を載せない場合は⑤は不要、②が無い場合は⑦)だけ揃えればOKです。

税理士などの資格者代理人が相続人に代わって取る場合、委任状など、⑥の書類も必要です。
委任状は以下のフォーマットが法務局のホームページにあがっています。
委任による代理人によって申出をする場合の委任状の例(様式)
委任による代理人によって申出をする場合の委任状の例(記載例)

原本還付されるもの、されないもの

ちなみに、申出にあたって法務局に提出する上の書類の大半は、一覧図の発行が終わったらそのまま返してくれます。
(業界用語(?)では「原本還付」とか言ったりします。)

具体的には、①、②、③、⑤、⑦の書類は一覧図を受け取る際に一緒に返してくれますので、これらについては、ここで使ったあと他の相続手続で使う、ということも可能です。

④の書類(申出人の氏名・住所を確認することができる公的書類)については、法務局に出したっきりで戻ってきません。
原本ではなくコピーしたものでも可ですが、その場合、原本と相違ない旨の記載と自署押印が必要です。
また、④と⑤の書類を1枚で兼ねることもできません。

私自身、申出人の方の④と⑤の書類を「住民票の写し」1枚で兼ねようとしたら、
「これは④の書類として預かるので原本還付できません。して欲しいなら、④の書類としてコピーしたものが別に必要です。」
と言われたことがあります。
(コピーはお願いすればその場で取ってくれます。ただしこれにも自署押印は必要です。)

亡くなった人の戸籍謄本はどのみち1度は取らなきゃいけない

と、ここまで話を進めてきた中で、おそらく↓こんなことを思う方も多いのではないかと…。

あのー、上の中に「①被相続人の戸除籍謄本」ってあるんですけど。
…亡くなった人の戸籍謄本、いるの??

 
はい、そうなんです(^^;
というのも、実は、法務局が発行する「法定相続情報一覧図」って、
「自分で作った一覧図に対して法務局が『これで正しい』とお墨付きを与えるもの」
なんです。

なので、次の2にあるように、元となる一覧図は自分で作らなきゃいけないですし、
それを作るために、そして、その作ったものが正しいものであると確認するためにも、亡くなった人の生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本)は絶対に必要です。

つまり、これを使おうが使うまいが、亡くなった人の戸籍謄本はどのみち1度は取らなきゃいけないってことですね。

「亡くなった人の戸籍謄本を取らなくても済む便利な制度」
というわけではない
ので、その点誤解のないようにお願いします!

2:「法定相続情報一覧図」を自分で作る

というわけで、上の1で必要な書類を集め終わったら、お次は一覧図を自分で作ります。
↓こんなのを作りなさいとのことです。
(引用元:法務省|〜法定相続情報証明制度について〜[PDF]
法定相続情報一覧図の様式

フォーマットは↓以下の法務局のホームページにたくさんあがっていますので、ご自身の状況に当てはまるものをダウンロードしてください。
主な法定相続情報一覧図の様式及び記載例:法務局

1で集めた書類を確認しながら、正確に作成しましょう。
ここで作る図がそのままコピーされて「法定相続情報一覧図」に乗っかってきますので、記載もれや誤字脱字などは絶対にないように!

【相続税の申告書に添付する目的で一覧図を取る場合の注意点】
一覧図を相続税の申告書に添付する場合、一覧図は以下の様式を満たしている必要があります。

1:「一覧図」は列挙形式ではなく図形式のものであること
2:子の続柄が、実子・養子のいずれなのかが分かるように記載されていること

続柄は「子」で済ますのではなく、戸籍謄本に書かれているとおり(長男、長女、養子など)に記載することを忘れないようにしてください!
参考記事法定相続情報一覧図の相続税申告書への添付が可能に!【2018年4月から】

3:「申出書」に記入する

さらに、法務局に提出する「申出書」に必要事項を記入します。
申出書は以下のリンク先に様式と記入例があがっています。
申出書様式(WORD形式) (Word形式 : 24KB)
申出書の記入例 (PDF形式 : 262KB)
一覧図の保管及び交付の申出書の記入例

資格者代理人が取る場合、「代理人の表示」欄に代理人の情報を記入します。
その際、氏名には資格名を忘れないように。
(私の場合だと「税理士 尾藤武英」といった具合)

また、申出人との関係は「委任による代理人」です。チェックマークの付け間違いにも要注意。

4:1〜3の書類を登記所(法務局)に提出する

ここまできたら、お次は1〜3で揃えたり作ったりした書類を全て揃えて登記所(法務局)に提出します。

提出先の登記所は、以下の地を管轄する登記所のどれかを選択することが可能です。

  1. 亡くなった人の本籍地(死亡時の本籍を指します。)
  2. 亡くなった人の最後の住所地
  3. 申出人の住所地
  4. 亡くなった人名義の不動産の所在地

全国の登記所の場所などは以下のページ以降のリンクで調べることができます。
法務省:法務局・地方法務局所在地一覧
各法務局のホームページ:法務局

持参または郵送で書類を提出しましょう!
提出すれば↓こんな書類が渡されます。(窓口での受け取りを希望した場合)
一覧図を窓口で受け取るための書類

京都地方法務局の場合、だいたい3営業日程度で発行されることが多いようです。
場所によっては1週間以上かかることもあるようなので、日程に余裕を持って動くことをオススメします。

5:交付された「一覧図」を受け取る

提出した書類に不備があれば登記所から連絡がきますが、それが無ければ「一覧図」は無事完成です。
指定された日時以降に受け取ることができます。

なお、窓口で受け取りの際は申出書に押印した印鑑の持参をお忘れなく!
(受取り時に受取書に自署押印する必要があるため)
また、郵送での受け取りを希望する場合は、返信用封筒と郵便切手の準備を忘れなく!

こうした流れを経て、一覧図がやっと手元にやってきます。
代理で取った法定相続情報一覧図

お疲れ様でした(^^

まとめ

最後に、一連の流れをもう一度まとめておきます。

【法定相続情報一覧図を取得するまでの流れ】
1:戸籍謄本など、申出に必要とされる書類を集める
 ↓
2:「法定相続情報一覧図」を自分で作る
 ↓
3:「申出書」に記入する
 ↓
4:1〜3の書類を登記所(法務局)に提出する
 ↓
5:交付された「一覧図」を受け取る

慣れない方にとっては、
「1:戸籍謄本など、申出に必要とされる書類を集める」

「2:『法定相続情報一覧図』を自分で作る」
のハードルがやっぱり高いのかな、と思います。
(特に2の一覧図の作成が…でしょうか)

ただ、「自分で相続登記をやっちゃおう!」と考えている方なら、
集めなきゃいけない書類自体は相続登記の場合とほぼ同じなので、意外と抵抗なくできちゃうハズです。
この記事がそんなあなたのお役に少しでも立てば嬉しいです!

この記事の内容について書いている法務局のページはこちら。
法定相続情報証明制度の具体的な手続について:法務局

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AUTHORこの記事を書いた人

京都市左京区で開業している税理士です。元税理士試験受験予備校「相続税法」講師。相続税に強く、クラウド会計に特化した税理士として活動中。
「専門用語をなるべく省いたわかりやすい説明」と「税理士が直接お客様に全てのサービスを提供すること」を大切にしています。
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