仕送りや入学・結婚資金の援助には贈与税がかかるの!?

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京都市左京区で開業している税理士です。 元税理士試験受験校「相続税法」講師。 相続税や所得税、贈与税など「個人の方にかかる税金」に特化した税理士として活動しています。詳しいプロフィール個人ブログも更新中です

今日は私がよく受ける↑この質問を取り上げます。
実際、親や子供が離れて住んでいる子供や親に仕送りをしたり、祖父母や父母が子や孫の入学金や結婚費用を援助してあげたりすることは、家族間であればよくあるお金の流れだと思います。

こういった場合にも、お金を受け取った側には贈与税がかかってくるんでしょうか?

答えは、
「基本はかかりませんが、かかる場合もあります」
という、なんとも中途半端なものです(^^;

なぜそんな答えになるのか、その根拠を今日はいろいろとご紹介します!

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この記事以外にも、基本的な内容からマニアックな話まで、いろいろ書いています。
相続税、贈与税ってどんな税金?【解説記事のまとめ】ページはこちら

贈与税ってどんな場合にかかってくるの?

本題に入る前に、まずは贈与税ってどういう場合に課される税金なのかを確認しましょう。

相続税法第28条という法律で、こんな場合には贈与税の申告義務が発生するよ、というのが規定されています。

贈与により財産を取得した者は、その年分の贈与税の課税価格に係る贈与税額があるときは、その年の翌年2月1日から3月15日までに、課税価格、贈与税額その他の事項を記載した申告書を提出しなければならない。

「その年1年間に贈与で財産を取得していて」
「計算の結果納付すべき贈与税額がある人」

は申告しなきゃいけない、ということですね。

じゃあ、今回見ているようなお金のやり取りがこれら2点の条件に当てはまるのかを順に見ていきましょう。

贈与に該当するか

まずは1つめの条件である「その年1年間に贈与で財産を取得している」に当てはまるかです。

民法第549条という法律で、こういうものが贈与にあたりますよ、と言っています。

贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。

今回のケースで考えてみると、お金をあげる側、貰う側はそれぞれ

・お金をあげる側に「お金をあげる」という認識があって
・お金を貰う側にも「お金を貰う」という認識がある

ので、法律上も立派な贈与に該当します。

納付すべき税額があるか

次に、「計算の結果納付すべき贈与税額がある」のかを見ていきましょう。

贈与税の計算は

(贈与税の課税価格-贈与税の基礎控除(110万円))×税率

で行いますので、基本的に、年間110万円を超える金額の財産を贈与で貰った方には、その超えた部分に税率がかかってきて税額が発生するので、贈与税の申告義務が生じることになります。
つまり、今回のケースでも、貰ったお金の金額が年間110万円を超えるのであれば、そのお金にも原則は贈与税がかかります。

「なんや、最初に『基本はかからへん』て言ってたんは嘘かいな」
と言われそうですが(^^;
でも、これで話は終わりじゃないんです。むしろここからが本題!

実は、以下のような規定があるんです。

贈与税の非課税財産

相続税法や租税特別措置法では、贈与税を計算する上で
「これもホントは贈与税がかかるんやけど、ここから取るのはさすがに申し訳無いんで非課税にしてあげるわ!」
という財産がいくつか決められています。
(これを「贈与税の非課税財産」と呼んでいます)

全部を列挙したら結構な量になるのでここでは全ては挙げませんが、その中の1つにこんなものがあります。

扶養義務者相互間において生活費または教育費に充てるためにした贈与で取得した財産のうち通常必要と認められるもの

これがまさに、今回見ているようなお金のやり取りを指しています。
この規定があるおかげで、こうしたお金には贈与税がかからないで済む!というわけなんです。

でも無条件では無いですよ

ただし、非課税になるには、そのお金のやり取りがこの規定にそっくりそのままあてはまる必要があります。

ポイントは3つで、
「扶養義務者相互間において」
「生活費または教育費に充てるため」
「通常必要と認められるもの」

です。

扶養義務者とは?

ここでの「扶養義務者」の範囲には以下の方々が入ってきます。

・配偶者
・直系血族及び兄弟姉妹
・家庭裁判所の審判を受けて扶養義務者となった三親等内の親族
・三親等内の親族で生計を一にする者

まずは、これらの方々の間で行われたお金のやり取りであることが大前提です。

生活費、教育費の範囲は?

また、生活費や教育費も「こんな支出ですよ」という目安が公表されています。

「生活費」とは、その者の通常の日常生活を営むのに必要な費用(教育費を除きます。)をいいます。
また、治療費や養育費その他これらに準ずるもの(保険金又は損害賠償金により補てんされる部分の金額を除きます。)を含みます。
(相続税法基本通達21の3-3)

「教育費」とは、被扶養者(子や孫)の教育上通常必要と認められる学資、教材費、文具費等をいい、義務教育費に限られません。
(相続税法基本通達21の3-4)

まぁ、ここは世間一般が思う生活費、教育費の範囲とほとんど差はないですよね。
が、ここの話はこれだけでは終わりません!

必要な都度の贈与でないと生活費、教育費の贈与にはあたらない

繰り返しになりますが、この規定は「生活費または教育費に充てるために」行われたお金のやり取りが非課税になる、というものです。
言い換えれば、「生活費や教育費に充てていない」お金のやり取りは課税するということです。

これが何を意味するのかといえば、たとえば、

・結婚資金として300万円を親に出してもらったけど、実際に使ったのは200万円だけで、残りの100万円は貯金に回した。

・1年分の生活費の仕送りとして60万円(50,000円×12ヶ月)を送ってもらったが、すぐには使わないので全額銀行口座に入れたままにしている。

というような場合には、その100万円や60万円は贈与税の課税の対象になります。
なぜか。生活費や教育費に充てていないからです。

ここでは、必要な都度、直接それに充てるために出されたお金でなければ「生活費や教育費に充てた」とは考えません。
そのお金のやり取りが、たとえわずかであっても貰った側の蓄財につながっているのであれば、その部分は贈与税の課税の対象です。

冒頭で「かかる場合もある」と言ったのはこのケースのことなんです。

仕送りや資金援助をする際は、「必要な都度、直接それに充てるために出さないとダメ」だという点をしっかりと押さえて下さい!

「通常必要と認められるもの」の意味合いは?

また、非課税となるには、「通常必要と認められる」範囲内のお金のやり取りでなければいけません。

金額としての明確な基準はありませんが、ただ、あげる側と貰う側の両者の状況から判断して法外な金額のお金のやり取りにあたらなければ、ここが問題になることは通常はありません。

まとめ

というわけで、もし仕送りや資金援助があったとしても、それが
・扶養義務者相互間で行われて
・必要な都度、直接それに充てるために行われて
・社会通念上常識の範囲内の金額である

場合には贈与税はかかりません。
ただ、これらの条件に1つでも当てはまらないものにはしっかりと贈与税がかかってきますのでご注意を!

ね?「基本はかかりませんが、かかる場合もあります」で合ってるでしょ?(^o^)
ただ、ここまで来るのにだいぶかかっちゃいましたが…。

最近誕生した非課税規定は「一括贈与」に対応したものです

ちなみに、最近は以下のような贈与税の非課税規定が次々と創設されています。

これらも「教育資金」とか「結婚・子育て資金」とか書いてあります。
今日の話とこれらの非課税規定の何が違うの?と思うかもしれませんが、これらは
「お金を一括で贈与したら本当は非課税にはならないんだけど、それでも非課税にしてあげよう」
というものです。

今日見てきたとおり、これらの規定を使わなくても、「必要な都度、直接充てるために」なされたお金の贈与は元から非課税ですもんね。
「これらの規定が出来たってことは、これらの規定を使わずに資金援助したら贈与税がかかるんじゃないか」
などと不安に思われる方も多いと聞きますが、そういうわけではありませんのでご心配なく!

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