特例税率と一般税率の両方を使う場合の贈与税の計算方法

今は贈与税の税率は2種類あって、
財産を貰った人とあげた人がそれぞれどんな人たちなのか
によって使える贈与税の税率が変わります。

以前から使われていた(高い方の)税率を「一般税率」、新設された(安い方の)税率を「特例税率」と呼んでいて、
申告書を作る際には、どちらの税率で計算していくのかをしっかりと区別する必要があります。

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詳しくは「特例贈与財産とは?新設された贈与税の「特例税率」を解説します」という記事をご覧ください。

この記事では、↑上の記事の+αという位置付けで、
上の記事ではスペースの関係上触れられなかった、贈与税の計算のややこしいパターンを1つ紹介していきます。

上の記事では「一般税率だけ」「特例税率だけ」を使った計算パターンを紹介していましたが、
では、「一般税率と特例税率の両方を使う場合」の贈与税の計算パターンはどうなるのでしょうか??

この記事の運営元:京都市左京区の尾藤武英税理士事務所
元税理士試験受験予備校「相続税法」講師が運営する税理士事務所です。
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具体的な計算方法は?

1年の間に「特例贈与財産」と「一般贈与財産」の両方を貰っていた場合、その人のその年分の贈与税の計算はどうすればいいんでしょうか。

↓以下の国税庁のサイトにはこのように書いてあります。

例えば、20歳以上の方が、配偶者と自分の両親の両方から贈与を受けた場合などには、次のように計算します。

1 全ての財産を「一般税率」で計算した税額に占める「一般贈与財産」の割合に応じた税額を計算します。
2 全ての財産を「特例税率」で計算した税額に占める「特例贈与財産」の割合に応じた税額を計算します。
3 納付すべき贈与税額は、1+2の合計額です。

引用元:No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)|国税庁

具体例を出して計算してみましょう!

【具体例】
平成27年中に、父と兄からそれぞれ現金250万円(合わせて500万円)を貰いました。
父からの贈与は特例贈与、兄からの贈与は一般贈与にあたります。
この場合の贈与税額はいくらでしょうか?(以下、単位:円)

(1)① 全ての財産が一般贈与財産だとした場合の贈与税額を出す
   (5,000,000-1,100,000)×20%-250,000=530,000
  ② ①の税額を、全体の金額うち一般贈与財産の金額が占める割合で按分する
   530,000×2,500,000/5,000,000=265,000

(2)① 全ての財産が特例贈与財産だとした場合の贈与税額を出す
   (5,000,000-1,100,000)×15%-100,000=485,000
  ② ①の税額を、全体の金額のうち特例贈与財産の金額が占める割合で按分する
   485,000×2,500,000/5,000,000=242,500

(3) (1)+(2)=507,500円

…数学の弱い私みたいな人間には何をやっているのかさっぱりわかりませんが(^^;
2度同じようなことをして、なんとか507,500円という金額が出てきました。
これがこのケースでの贈与税額です。

今回は特例贈与財産(父から貰った250万円)と一般贈与財産(兄から貰った250万円)の金額が同じなので、贈与税額はそれぞれの財産だけだとして計算した税額(530,000円と485,000円)のちょうど真ん中で落ち着いています。

おそらく、完全に別の算式で分けて計算したらそれぞれの計算の中で110万円の基礎控除が引けてしまうので、そうならないための苦肉の策って感じなんでしょうね。

よくこんな計算方法を考えるなぁ、と、お役人さんの頭の良さにはいつも感心します…。

申告書を作るのが難しいなぁ、と感じたら無理せずにご相談を!

以上、今日は「特例税率」と「一般税率」の両方を使う場合の贈与税の計算方法を紹介しました。
なかなか難しいやり方でしたね。
(って、そんな感想を持つのは私だけ?(^^;)

税率が2つになったことで、贈与税の申告書を作る作業も以前と比べると少し難易度が上がった感があります。

今は国税庁のHPに申告書作成コーナーがありますし、手書きで作るにしても申告書の説明書きにあるとおりに数字を埋めていけば作成自体は可能です。

ただ、ちょっとでも「ここはどうしたらいいんだろう?」と思われるのであれば、無理せず税務署に行くか、お近くの税理士にご相談下さいね。
我々はそのためにいますので!

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AUTHORこの記事を書いた人

京都市左京区で開業している税理士です。元税理士試験受験予備校「相続税法」講師。相続税に強く、クラウド会計に特化した税理士として活動中。
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