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競馬の税金の計算方法とは。いくらから&どれだけかかる?

競馬の馬券の税金はどう計算する?

競馬の馬券の払戻金には所得税住民税という2つの税金がかかります。
国に払うのが所得税、住んでいる地元自治体に払うのが住民税です。

それでは、競馬の馬券に対してこれらの税金がいくらから&どれだけかかるのか、その計算の仕組みはご存じですか?

2015年には、競馬ファンには有名な「外れ馬券が経費になる」例の判決もありました。
でも、

で、あの判決を受けて今は結局どうなってるの?

と思っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、

  • 高額の払戻金をゲットしたのでいくら税金がかかるのか知りたい

という方はもちろん、

  • WIN5で高額配当が出たので気になって見にきた

なんて野次馬な方まで(笑)、馬が好きで一口馬主もやっている税理士がその辺を詳しく解説してみます。
この記事のざっくりとした結論は↓こちらです!

【この記事のポイント】

それぞれの項目にリンクを貼っているので、
「ここだけピンポイントで知りたい」
という方はそこを拾い読みしてください。

びとう
【この記事は私が書きました】
税理士・尾藤 武英(びとう たけひで)
京都市左京区で開業している税理士です。
税理士試験大手予備校の元講師で、事務所開業後は所得税などの研修講師を多数担当。
Macユーザーで、クラウド会計を活用したスモールビジネス支援にも力を入れています。
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所得税・住民税の計算の流れ【競馬の税金】

まず最初に払戻金に対する所得税や住民税の計算の流れをざっくりと紹介します。

  1. 馬券の払戻金に対するもうけの金額を出す
    (→「一時所得」と言います)
  2. ①をその人の年間の他のもうけ(給与所得・事業所得など)と合算する
    (→「所得金額」と言います)
  3. ②から配偶者控除や扶養控除・医療費控除などを引いて税率をかける対象の金額を出す
    (→「課税所得金額」と言います)
  4. ③に対して所得税・住民税の税率をかける
  5. ④から住宅ローン控除や源泉所得税などを引いて納付税額を求める
    (→これを国(所得税:翌年3/15まで)や各自治体(住民税:翌年4月以降)に納付する!)

以下、主に①と②〜④の2つに分けて、この流れを解説していきます!

競馬の払戻金全額が課税対象、ではない【50万円特別控除と金額1/2の特典アリ】

払戻金の全額が課税対象、ではない【50万円控除と金額1/2の特典アリ】

まずは①で挙げている「馬券の払戻金に対するもうけの金額の出し方」をとことん掘り下げます。
競馬の馬券の払戻金は「一時所得」として税金を計算します。

所得税の一時所得とは?

所得税(以下、住民税もこれに含めます)というのは、
「個人が1年間(1/1〜12/31まで)で稼いだ所得(=もうけ)に対してかかる税金」
です。

そして、所得税の計算の最も大きな特徴は、
1年間で稼いだ所得(もうけ)の種類や性質に応じて10個の異なる計算方法(=「所得区分」と呼んでいます)を設けている点にあります。

どんな種類があるのかをカンタンな解説とともに挙げてみると、

  • 利子所得…預金の利子をもらったことによるもうけ
  • 配当所得…株式などの配当金を受け取ったことによるもうけ
  • 不動産所得…不動産を貸し付けたことによるもうけ
  • 事業所得…事業を営んだことによるもうけ
  • 給与所得…給与や賞与をもらったことによるもうけ
  • 退職所得…退職金をもらったことによるもうけ
  • 山林所得…山林業を営んだことによるもうけ
  • 譲渡所得…事業以外で物を売ったことによるもうけ
  • 一時所得…突発的・偶発的に生じたもうけ
  • 雑所得…上の9つのどれにもあたらないもうけ

この10個です。
身近なのは「給与所得」「事業所得」「不動産所得」あたりですよね。

わざわざ10個に分ける理由は、もうけの質(継続的に生ずるのか突発的なのか、何に起因して発生したもうけか、など)に応じた最適な課税をしたい、との意図からです。
一旦10個に分けてそれぞれの方法でもうけの金額を計算して、その合計に税率をかける、という流れを踏みます。

競馬の馬券の払戻金は一時所得にあたる

そして、競馬の馬券の払戻金は基本的に、上の10個のうち下から2つ目の「一時所得」という区分で課税されます。

これには根拠みたいなものももちろんありまして、
「所得税基本通達34-1」という、国税庁が
「一時所得として課税するのには例えばこんなんがありますよー」
と公表している文章に↓こう書かれています。

次に掲げるようなものに係る所得は、一時所得に該当する。
(2) 競馬の馬券の払戻金、競輪の車券の払戻金等
(以下略)

引用元:法第34条《一時所得》関係|国税庁

バッチリと「競馬の馬券の払戻金は一時所得」と書いてありますので、基本的に払戻金は「一時所得」で課税です。

「一時所得」というのは、上でも紹介したように、単発で発生して、しかも偶然性が強いもうけが入る所得区分です。
馬券の払戻金って確かにそんな類のもうけですよね。

上の通達には、2015年の「外れ馬券が経費になる」裁判以降付け加えられた文章(「こういう場合は一時所得じゃなくなりますよ云々」)があるんですが、一般の競馬ファンがそれに当てはまることはあり得ないので、ここではその話は省略します。
 
省略している文章の詳しい内容(一時所得じゃなくなる場合の要件)については「競馬の税金裁判で国が再び敗訴!「外れ馬券は経費」の基準はどう変わる?」という別記事で解説しています。

一時所得の計算方法

では、一時所得の課税対象額はどうやって計算するのかというと。
↓こんな算式を組め!と決められています。

【一時所得の計算式】

(1) 総収入金額(=払戻金の額)

(2) その収入を得るために支出した金額(=払戻金に対する馬券の購入額)

(3) 特別控除(最高500,000円)

(4) (1)-(2)-(3)
正しい一時所得はここまでを指しますが、以下、分かりやすさ重視で(5)までとして話を進めます。

(5) (4)×1/2

当たり馬券の払戻金の額から、

  • その払戻金に対応する馬券の購入額と
  • 最大50万円の特別控除を引いたのちに
  • その金額を1/2します。

って、文章だけだと全然ピンときませんよね(^^;

具体的にはいくら?

こういう時は実際の数字に当てはめてみるに限ります。

↓こちらは私の一口出資馬・ブルヴェルソンが初勝利を挙げたときに買っていた当たり馬券です。
当たり馬券

「金額がショボい」というツッコミは無しの方向で(^^;

1番人気だったので実際の払戻金は超絶安かったんですが、
もし奥に写っている馬券(3連単の1着流し・合計点数20点@100円)で100万円の払戻金をゲットした場合、一時所得はいくらになるのかというと。

【20点買い@100円(購入金額2,000円)で100万円の払戻金をゲットした場合の課税対象額】

(1) 総収入金額
1,000,000円

(2) その収入を得るために支出した金額
100円

(3) 特別控除
500,000円

(4) (1)-(2)-(3)=499,900円

(5) (4)×1/2=249,950円

というわけで、100万円の払戻金の約25%である249,950円が一時所得として課税対象となります。

じゃあ、もし払戻金が1,000万円だった場合は?

【20点買い@100円(購入金額2,000円)で1,000万円の払戻金をゲットした場合の課税対象額】

(1) 総収入金額
10,000,000円

(2) その収入を得るために支出した金額
100円

(3) 特別控除
500,000円

(4) (1)-(2)-(3)=9,499,900円

(5) (4)×1/2=4,749,950円

1,000万円の約半分である4,749,950円が一時所得として課税対象となります。

  • 100円で100万円を当てた場合の課税対象額は約25万円(約25%)
  • 100円で1,000万円を当てた場合の課税対象額は約475万円(約47%)

以降、どれだけ高額の馬券が当たっても税金の対象になるのは払戻金の半分以下で済みます。

50万円特別控除+金額が1/2=他の所得よりもオイシイ

100万円や1,000万円の全額にかかるんちゃうんやね。

そうなんですよ。
冒頭にも書いたように、払戻金の全額に課税されるわけではないんです。
一時所得は他のもうけよりも有利な計算ができまして、

  • 50万円が特別控除として引ける=もうけが50万円を超えないと課税されない
  • 税率をかける前に金額が1/2になる

という特徴があります。

これは、
「偶然ドカンと手に入れたもうけにまでがっつり課税するのはさすがにかわいそう」
と国が配慮してくれていることの現れでもあります。

これが、税金計算上の馬券のもうけ(=一時所得)の出し方の基本形です。

びとう
ほか、一時所得には

  • 保険の満期金や一時金のうち、受取保険金と支払保険料の差額
  • 法人から贈与を受けた金品(ふるさと納税の返礼品など)
  • クイズや懸賞の賞金など

も含まれるので、もしこれらがある場合はこれらを含めて計算しなきゃいけない点も頭に入れておいてください。

競馬の税金計算の2つの注意点

外れ馬券は経費にできない(雑所得として申告することはできない)

ただ、上の2つの具体例をよく見てみると。
「支出した金額」として引いている金額が2,000円ではなく100円になっています。

この点を含めて、
競馬の馬券の払戻金を一時所得として計算する上では注意すべき点が2つあります。

その1:外れ馬券は経費にならない!

1つ目としてまず挙げたいのが、結構有名な「外れ馬券は経費にならない!」という話です。
税金計算上経費として引けるのは、あくまでもその収入を得るために直接支出した金額に限られます。

上の例で言えば、100万円や1,000万円の払戻金を得るために投じた購入金額は2,000円。
それでも、一時所得の計算の中で「支出した金額」として引けるのは払戻金に直接対応する1点の購入費用(100円)だけ
となります。

びとう
所得税法では、一時所得の「その収入を得るために支出した金額」について、
「その収入を生じた行為をするため、又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限る。」
と決められていて、上の考えはこの決まりに基づいています。

 
我々の感覚では「20点流しで買ったからこそ当たったんやん!」て感じですよね(^^;
でも、税法の計算ではそんな感覚は通用しません。
引けるのはあくまでも「収入に直接対応する金額」だけであり、それはこの例では2,000円ではなくたったの100円です。

競馬の馬券の払戻金が一時所得になる最大の問題点はここですね。
2015年の「外れ馬券が経費になる」裁判もこれがために争われたようなものでした。

その2:年間収支は関係無し。当たった分だけを拾い出して要申告!

あと、私自身がよく受ける質問として、

税金の申告が必要なのって、馬券の年間収支がプラスになったときだけですよね?
 
というのがあるんですが、これは正しくないです。

たとえ年間収支がマイナスでも、ドカンと当たって高額配当をゲットしたのであれば、その払戻金だけを対象として一時所得の申告が必要です。

冒頭で紹介したように、一時所得は「突発的・偶発的に生じたもうけ」を対象としていて、我々競馬ファンが娯楽として買った馬券で得たもうけはまさにこんな種類のもうけです。
そして、一時所得に該当する場合、すぐ上にも書いたように、ハズレ馬券は経費として考えません。

つまり、我々の感覚の「馬券の年間収支」と税金計算上の年間収支は全く違うんです。
(我々の感覚以上に圧倒的にもうけが出てしまっている、ということ。)

本当ならば、当たった馬券だけを拾い出して年間収支を計算して、それが50万円を超えるのならみんな税金の申告が必要なんですが、
国もそこまでは追いきれない(+追いかけるつもりも多分無い)ので、せめてドカンと当たったときだけでもちゃんと申告しましょうね、ということです。

びとう
実情に合った課税の方法では全然ないんですが…。

2019年1月に国税庁が計算フォームを公開【詳しくは別記事にて】

ちなみに、2019年の1月には国税庁のホームページで「公営競技の払戻金に係る所得の計算書」というExcelシートが公開されています。

↓このように、1年間の馬券の払戻金の収入と経費を集計するためのものです。
「公営競技の払戻金に係る所得の計算書」に入力した状態

このシートにも上で紹介した2つの注意点はしっかりと反映されています。
これの詳しい使い方は「国税庁が「公営競技の払戻金に係る所得の計算書」を公開」という別記事で解説していますので、興味のある方はどうぞ。

「公営競技の払戻金に係る所得の計算書」とは?
 
以上ここまで、税金計算上の馬券のもうけの出し方(=当たり馬券に対する一時所得の計算方法)を詳しく解説してみました。
 

競馬の税率は所得税と住民税合わせて15%〜55%

税率は所得税と住民税合わせて最低15%〜最高55%【所得税の計算の流れとは?】

お次は「じゃあ具体的にどんだけ税金払わなあかんの?」という点を解説します。

上で

  • 100万円に対する一時所得は約25万円
  • 1,000万円に対する一時所得は約475万円

と出ましたが、「これをそのまま払え」というわけではもちろんなくて、
これに対して所得税・住民税それぞれの税率をかけた額が税金の額となります。

税率をざっくりまとめると?

ではその税率はいくらになるのかというと。
もうけに対してかかる税率は、

  • 所得税=最低5%〜最高は45%まで、その人の1年間のもうけの総額に応じて変動
  • 住民税=一律10%で固定

と決まっています。

もうけの額ごとの税率をざっくり表にまとめると↓こんな感じになります。
(スマホでご覧の場合、横にスクロールさせて見てください。)

その人の1年間のもうけの総額
(課税所得金額)
所得税率 住民税率 所・住の税率合計
195万円以下 5% 10% 15%
195万円超 330万円以下 10% 20%
330万円超 695万円以下 20% 30%
695万円超 900万円以下 23% 33%
900万円超 1,800万円以下 33% 43%
1,800万円超 4,000万円以下 40% 50%
4,000万円超 45% 55%
あくまでもざっくりイメージです。上に挙がっている税率より実際の税額は安くなります。
(詳しい計算方法が知りたい方は国税庁の所得税率の解説ページをどうぞ)

税率はどこでかける?

ここで、冒頭で紹介した払戻金に対する所得税や住民税の計算の流れをもう一度紹介します。

  1. 馬券の払戻金に対するもうけの金額を出す
    (→「一時所得」と言います)
  2. ①をその人の年間の他のもうけ(給与所得・事業所得など)と合算する
    (→「所得金額」と言います)
  3. ②から配偶者控除や扶養控除・医療費控除などを引いて税率をかける対象の金額を出す
    (→「課税所得金額」と言います)
  4. ③に対して所得税・住民税の税率をかける
  5. ④から住宅ローン控除や源泉所得税などを引いて納付税額を求める
    (→これを国(所得税:翌年3/15まで)や各自治体(住民税:翌年4月以降)に納付する!)

税率はこれらの中で④の段階の話となります。(太字にしてます)

注意が必要なのは、上の流れを見てもおわかりのとおり、
税率はあくまでもその人自身の1年間のもうけの総額に対してかかるという点です。

もし、馬券の払戻金のほかに、

  • サラリーマンなら「給与所得」
  • 個人事業主なら「事業所得」
  • 地主や家主なら「不動産所得」
  • 副業収入や一口馬主の配当金がある場合は「雑所得」

などがある場合には、それらの所得と一時所得を合算した金額を上の表に当てはめて、かける税率を拾う必要があります。

具体例【給与収入450万円のサラリーマンの場合】

上の流れを年間450万円の給与収入(=給与所得300万円)がある人が1,000万円の馬券を当てた場合で当てはめてみましょう!
(所得控除は100万円、住宅ローン控除や源泉所得税は無しと仮定)

【馬券収入がある場合】

  1. 所得金額の計算
    給与所得300万円+一時所得475万円=775万円
  2. 課税所得金額の計算
    775万円-100万円(所得控除)=675万円
  3. 所得税額+住民税額の計算
    675万円×約30%-42万円=160万円

※わかりやすくするためにざっくりした数字で計算しています。
(「あそこの金額が6万円ほど少ねーよ!」とか言わないでください>業界の人)

年間1,450万円の収入金額に対して160万円の税金がかかる計算となります。

ちなみに、馬券が当たっていない場合の税額は↓こうなります。

【馬券収入がない場合】

  1. 所得金額の計算
    給与所得300万円
  2. 課税所得金額の計算
    300万円-100万円(所得控除)=200万円
  3. 所得税額+住民税額の計算
    200万円×約20%-10万円=30万円

というように、給与だけだと450万円の収入に対して約30万円の税金で済むところが、
1,000万円の馬券を当てたことで税金の額は130万円ほど増える(課税割合13%)ことになります。

びとう
もちろん、この割合は収入の総額が増えれば増えるほど高くなっていきます。
これを高いと思うか安いと思うかはあなた次第…(笑

税金がいくらになるかはケースバイケース

ここまで見てきたように、「競馬の馬券の払戻金にいくら税金がかかるのか」は、

  • 馬券自体のもうけの金額
  • 馬券以外のもうけ(給与所得や事業所得など)の金額

それぞれの金額の大きさ(1年間のもうけの総額)に左右されます。

また、もっと言えば、

  • 所得控除の金額の大小
    (配偶者や扶養親族がいるか、医療費をたくさん払ったか、ふるさと納税をしたかなどで変わる)
  • 住宅ローン控除の適用の有無

なんかでも違ってくるので、一概に言えないのが難しいところです。
 

払戻金1,000万円超なら確実にアウト?【2020年追記】

ここまで見てきたように、
一時所得は馬券のもうけが50万円を超えたら発生するので、
通常であればこのライン(もうけが50万円を超えるかどうか)が確定申告の要否の分かれ目となります。

とは言っても、いったいどれぐらいもうかったら税務署に目をつけられるの?

と思いますよね?
これもケースバイケースなので一概には言いづらいですが、
「少なくとも、これ以上なら絶対に危ないよ」と言える情報が2020年2月に出てきました。

その情報とは、
2021年から、1,000万円を超える払戻金を手にした人の情報が税務署に渡るようになる、というものです。

政府は来年1月から、競馬や競艇などの公営競技で一口1000万円以上の払戻金を受けた人への徴税を強化する。
日本中央競馬会(JRA)や自治体など公営ギャンブルのレース施行者が、インターネット経由で券を購入したり払戻金を受け取ったりした人の情報を保存し、必要に応じて国税当局に情報提供する。
(中略)
競馬、競艇、オートレース、競輪の4競技を所管する農林水産省など3省は昨年12月、公営競技の主催団体などに対して、一口あたりの払い戻しが1000万円を超える的中者の氏名や銀行口座番号、レース情報などを電子媒体で記録・保存するよう通達を出した。

引用元:公営ギャンブルの徴税強化へ 払戻金1千万円以上が対象 | ニュース | 税務会計経営情報サイト TabisLand

会計検査院や国税当局は一口1,000万円を超える払戻金を「高額」と捉えているようで、そこに網を張ろうとしています。

↑この記事は2020年に公開されているので、ここで言う「来年」とは2021年を指しています。
いつからこの取り扱いが開始されるかの正確な部分は上の記事からは読み取れませんが、
「昨年」=2019年12月に通達が出されていることを考えると、おそらく2020年中の払戻金から適用されると考えるのが無難かと。

実際、JRAのHPでも現在は以下のような注意喚起のページが公開されています。

なお、「電話・インターネット投票」における約定に基づき、法的義務により競馬会が個人情報の提供を求められた場合(中略)、競馬会は電話・インターネット投票加入者(利用者)の個人に関する情報を保護措置を講じた上で提供するものとします。

引用元:払戻金の支払を受けた方へ(社会とともに) | JRA

というわけで、もし今1,000万円を超える高額配当を手にしたのであれば、確定申告しなければ確実に税務署から声が掛かることになるでしょう。

びとう
↑これは「1,000万円いかなければバレない」と言いたいわけではないので勘違いしないでくださいね。
100万円でも高額は高額ですし、先ほども確認したように、年間で50万円超のもうけが出ればそもそも申告義務アリですから。
ルールは守りましょう!(その方が精神衛生上もいいですし)
 

競馬の税金計算のまとめ:ドカンと当たったら必ず申告を!

競馬の馬券の税金計算のまとめ

以上、この記事では、馬券の払戻金に対していくらから&どれだけ税金がかかるのかを長々と解説してみました。
ここまで読んで頂いた皆さん、ありがとうございますm(_ _)m

もう一度、この記事の3つのポイントを挙げておきますね。

【この記事のポイント】

まとめるとこれだけなのにホントすいません(^^;

2015年に雑所得になる可能性ができましたが、それが適用される方はごくごく稀で、
我々競馬ファンが普通に払い戻しを受ける馬券の払戻金は一時所得として課税されます。
50万円の控除があったり1/2してくれたりというのはありますが、
「馬券に税金がかかる」という事実は動かないので、もしWIN5などで高額の払戻金をゲットしたら正直に申告しましょうね。

1つ上の章でも最近の動きを紹介しましたが、
国税庁も定期的に↓こんなページを出したりして、払戻金の無申告状態を警戒している様子が伺えますので。
競馬の馬券の払戻金に係る課税について|国税庁
公営競技の払戻金の支払を受けた方へ|国税庁

…てか、その前にまずは馬券を当てないとですが(^^;


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税理士 尾藤武英

税理士 尾藤 武英(びとう たけひで)
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