財産債務調書の罰則規定について考える

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京都市左京区で開業している税理士です。 元税理士試験受験校「相続税法」講師。 相続税や所得税、贈与税など「個人の方にかかる税金」に特化した税理士として活動しています。詳しいプロフィール個人ブログも更新中です

※出さなかった場合に罰則が設けられているのもこの制度の大きな特徴です。

財産債務調書関連の記事、2つ目です。
初回の記事は↓こちらです。
今までと同じでしょ…では済まされない「財産債務調書」

前回の記事では、平成27年分の確定申告から提出が義務付けられることになった「財産債務調書制度」がどんなものなのか、その概要を確認しました。

そして、その中で挙げた特徴の1つに
「罰則規定が明文化された」
というものがありました。

今日は、もし財産債務調書を出さなかった場合に納税者にとってどんな不都合が生じるのか、その罰則規定の内容を掘り下げてみます。

私自身も、この記事を書きながら、もしお客さんから
「なんでこんなん出さなあかんの?」
と言われたときにどう説明するかを考えてみたいと思います(^^;

【財産債務調書関連の記事一覧】
初回の記事:今までと同じでしょ…では済まされない「財産債務調書」
2つ目の記事:財産債務調書の罰則規定について考える(←今はここ)
3つ目の記事:財産債務調書を出した場合に受けられるメリットとは?
まとめ記事:財産債務調書のまとめ記事:で、結局どう対応するのか

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この記事以外にも、基本的な内容からマニアックな話まで、いろいろ書いています。
相続税、贈与税ってどんな税金?【解説記事のまとめ】ページはこちら

罰則=ムチの内容は?

今回紹介するのは↓こんな国税庁のページです。
No.7457 財産債務調書の提出義務|国税庁

中は見事に文章ばかりなんですが、このページの中に
「出さんかったらこんな罰則があるよ〜」
と言っている箇所があります。
それをそのまま引用してみたのが↓これです。

財産債務調書の提出がない場合等の過少申告加算税等の加重措置
財産債務調書の提出が提出期限内にない場合又は提出期限内に提出された財産債務調書に記載すべき財産若しくは債務の記載がない場合(重要な事項の記載が不十分と認められる場合を含みます。)に、その財産若しくは債務に対する所得税等の申告漏れ(死亡した方に係るものを除きます。)が生じたときは、その財産若しくは債務に関する申告漏れに係る部分の過少申告加算税等について、5%加重されます。

引用元:No.7457 財産債務調書の提出義務|国税庁

わざとわかりにくくしているような文章ですが、コレ、いったい何を言っているんでしょう?

「過少申告加算税等」って?

本題に入る前にまずは予備知識から!
国税には、ちゃんと申告しなかった場合などに取られてしまう罰金がいくつか設けられています。

上の文章の一番最後の方に「過少申告加算税」とありますが、この「等」が指しているのは「無申告加算税」というものです。
「過少申告加算税」「無申告加算税」
どちらも罰金的な性格を持つ税金の一種です。

それぞれ、

「過少申告加算税」
申告書は出したけど、申告漏れが指摘されてさらに税額を払え!と言われたときにかかる罰金。税率は、増えた税額の10%〜15%。

「無申告加算税」
納めるべき税額があるのに期限内に申告書を出さなかったときにかかる罰金。税率は、納めるべき税額の5%〜20%。

という違いがあります。
そもそも申告すらしていないという点で無申告加算税の方がタチが悪いパターンですね。

このほか、これらの罰金が取られる場合には、これに加えて延滞税(遅延利息のようなもの)もかかりますし、場合によっては重加算税(所得隠しが悪質な場合に上乗せされる罰金)がかかることもあります。

ちゃんと申告しなかった場合にはこういったペナルティがかかってきますよ、というのをまずは押さえて下さい。
これは、所得税、法人税、相続税、消費税など全ての国税が対象です。

申告漏れがあってはじめて出てくる話

で、本題に戻って、上の引用文が言っている内容ですが、簡単に書くとこうです。

「調書を出していなかったり、出してはいたけど調書に載せていない財産があったりした場合に、その財産に関する所得税について申告漏れがあったときは、その部分の過少申告加算税や無申告加算税は5%上乗せされる。」

実際の事例に当てはめるとこんな感じでしょうか。

「アパートを1棟持っているけど、調書には書いていないし、そこから発生するアパート収入も申告していなかった場合に、その収入について申告漏れが指摘されたら、無申告加算税は5%上乗せされるよ!」

これが今回の調書に関する「罰則=ムチ」です。言い換えると、たったこれだけです。
所得税の申告漏れがあって初めて出てくる話なので、ハッキリ言って、適正に所得税の申告をしている方にとっては全く縁のないムチだったりします。

う〜ん、なんとも微妙な規定だ(^^;

ムチだけじゃなくてアメもあります

ただ、この規定の大きな特徴は、ムチだけじゃなくてアメもあるという点です。
上でも取り上げた国税庁のHPの中にこんな文章があります。

財産債務調書の提出がある場合の過少申告加算税等の軽減措置
財産債務調書を提出期限内に提出した場合には、財産債務調書に記載がある財産若しくは債務に対する所得税等又は財産に対する相続税の申告漏れが生じたときであっても、その財産若しくは債務に関する申告漏れに係る部分の過少申告加算税等について、5%軽減されます。

引用元:No.7457 財産債務調書の提出義務|国税庁

これが何を言っているのかについては…ちょっと文章が長くなってきたのでまた↓次回に(^^;

【財産債務調書関連の記事一覧】
初回の記事:今までと同じでしょ…では済まされない「財産債務調書」
2つ目の記事:財産債務調書の罰則規定について考える(←今はここ)
3つ目の記事:財産債務調書を出した場合に受けられるメリットとは?
まとめ記事:財産債務調書のまとめ記事:で、結局どう対応するのか

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