令和3年(2021年)4月から消費税の総額表示(税込み価格表示)が義務化されています。
消費税抜きで価格の表示を行っていた小売業者さんは消費税込み表示への変更が必要です。
「そんなん知らんかったわ」という方はこの記事を読んで、早めの対応をお願いします!
この記事を書いた人
税理士試験大手予備校の元講師で、事務所開業後は所得税などの研修会講師を数多く担当。
Macユーザーで、クラウド会計を活用したスモールビジネス支援にも力を入れています。
詳しいプロフィール(経歴や活動実績など)
提供サービス:個人の確定申告 / クラウド会計税務顧問
当ブログの運営目的は同業や周辺業者への業務指南やコンテンツ提供ではありません。
当サイトでは以下のポリシーやプライバシーポリシーに基づき右クリックコピーを随時計測・記録しています。
ブログ運営ポリシー(執筆編集方針、著作権保護のためのプラグインの使用etc.)
このページの目次
2021年3月までは「税抜きでも税込みでもどちらでも良かった」
思い出して欲しいんですが、昔はお店の価格の表示は全て税込みでしたよね?
具体的な期間でいうと、平成16年(2004年)4月以降、消費税が5%の時代は全て税込みでした。
これは、消費税法で「小売価格は総額表示(税込み表示)にしろ」と決められているからなんです。
(消費税法第63条にその旨が規定されています)
2013年10月から期間限定で税抜きOKでした
ただ、消費税が短期間で2度(8%→10%に)引き上げられることによる事務負担などを考慮して、
消費税が8%に引き上げられるタイミング(平成25年(2013年)10月〜)で「消費税転嫁対策特別措置法」という法律が制定されて、
基本は税込み表示やけど、「これは税抜きです」とわかりやすく表示しているなら税抜きでもいいよ
というルールが適用されていました。
世の中に税抜き表示のお店や商品があふれ出した(?)のはここからです。
とはいえ、この法律は期間限定で、令和3年(2021年)3月31日に失効しました。
その後は、以前のような「税込み表示一択」に戻ることになります。
総額表示(税込み表示)の具体例
では、2021年4月以降に許される価格の表示方法とはどんな感じなんでしょうか?
国税庁のホームページで表示例が紹介されているので引用してみます。
例えば、次に掲げるような表示が「総額表示」に該当します
(例示の取引は標準税率10%が適用されるものとして記載しています。)。11,000円
11,000円(税込)
11,000円(税抜価格10,000円)
11,000円(うち消費税額等1,000円)
11,000円(税抜価格10,000円、消費税額等1,000円)
ポイントは、税込みの支払い総額(消費税額を含んだ価格)さえ表示されていればOKということです。
業種問わず総額表示が義務付けられます
ただ、世の中には、プライスカードやPOPを簡単に書き換えることができない業種の方も多いハズです。
実際、「税込み表示 義務化」でググってみると、アパレル業界の情報紙さんの↓こんな記事が出てきます。
21年3月31日に消費税転嫁対策特別措置法が失効し、4月1日から総額表示(税込み価格表示)が義務付けられる。
日本繊維産業連盟や日本アパレル・ファッション産業協会など業界7団体は財務省と経済産業省に確認し、「消費者が税込み価格を一目で分かるよう手立てを講じれば、『本体価格+税』表示の値札を付け替えなくてもよい」とし、対応方法を会員企業に伝えた。
私も昔スーパーの衣料品部門で働いていた経験があるので、こういった事情はよくわかります…。
が、業種を問わず、消費者に対する小売段階の価格表示はすべて総額表示が義務付けられます。
(事業者間取引は総額表示義務の対象とはなりません)
税抜き表示で認められていた方法は?
ちなみに、2021年3月まで認められていた税抜き表示の方法は↓こんな感じでした。
例1
商品などの価格を次のように表示する。
「〇〇円(税抜)」「〇〇円(税抜価格)」「〇〇円(本体)」「〇〇円(本体価格)」「〇〇円+税」「〇〇円+消費税」「〇〇円(税別)」「〇〇円(税別価格)」
例2
プライスカードには「○○円」と税抜きの価格だけを表示して、別途、店内の目に付きやすい場所に明瞭に「当店の価格は全て税抜価格となっています。」といった掲示を行う。
現在はこれらの表示は認められていませんので、これらを続けている人は早急に対応が必要です。
2021年4月から総額表示が再び義務化のまとめ
以上、この記事では2021年4月から消費税の総額表示(税込み価格表示)が再び義務化されているよという、
小売業者の方には見逃せない情報について解説しました。
冒頭でも言いましたが、現在も税抜きで価格の表示を行っている小売業者さんは至急対応が必要です。
記事中でも紹介した↓以下の国税庁のページでは、対象となる取引や表示媒体など、「価格の表示方法のイロハ」が紹介されています。
No.6902 「総額表示」の義務付け|国税庁
興味のある方は目を通してみてください。
【関連記事】
弊所では代表税理士がすべての業務を直接担当。
元予備校講師の経験を活かしたわかりやすいアドバイスでお困りごとを解決します。
会計ソフトはクラウド会計推し、Macユーザーな税理士です。
オンラインでもお受けしていますので、お住まいの地域問わずお気軽にどうぞ。
- 提供しているサービス
- 「税理士に確定申告をお願いしたい」という方へ
確定申告代行(決算込み) - 「わからない点を単発で相談したい」という方へ
単発スポット相談 - 顧問税理士はクラウド会計をお使いの方限定でお受けしています
クラウド会計税務顧問 - 税理士目線でクラウド会計の使い方をアドバイスします
クラウド会計使い方サポート
- 「税理士に確定申告をお願いしたい」という方へ
- 事務所の特徴(強みや大切にしていること)
セミナー研修講師や執筆のご依頼もお受けできます