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令和6年京都市内の路線価の傾向まとめ【2024年分路線価発表】

2024年京都市内の路線価の傾向まとめ【令和6年路線価発表】

2024年7月1日、相続税や贈与税の計算で用いる令和6年(2024年)分の相続税路線価(以下「路線価」)が国税庁の財産評価基準書のページで公開されました。

調査対象となった府内7762地点の平均は、去年に比べて2.4%上がり3年連続の上昇となりました。
3年前に新型コロナの感染拡大の影響で下落しましたが、観光客数の回復を背景に、京都市内を中心にホテルやオフィスそれにマンション用の土地の需要が、高まっていることなどが要因とみられます。

引用元:京都府内の路線価 3年連続上昇 観光需要の回復が後押し|NHK 京都府のニュース

とあるように、特に京都市内においては、コロナ前の水準への回復傾向が見えた前年(解説しています)に続き、商業地・住宅地ともに上昇傾向となりました。

この記事では、そんな京都市内の2024年の路線価の傾向を、主要4地点の過去5年分の路線価の推移を取り上げつつまとめてみました。

この記事を書いた人


税理士 尾藤武英
税理士 尾藤 武英(びとう たけひで)
京都市左京区下鴨で開業している税理士です。
過去に税理士試験の予備校で相続税を教えていた経験から、相続税が専門分野。
事務所開業以来、相続税や贈与税の申告、相続税対策、相続税贈与税をテーマとした研修会の講師など、相続税に関する業務を多数行っています。
詳しいプロフィール(経歴や活動実績など)
相続税・贈与税のサービス・料金
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府内の路線価トップは33年連続で四条河原町北西角

まず紹介するのは府内の路線価の最高地点・京都市下京区四条通寺町東入2丁目御旅町です。
京都で一番の商業地・四条河原町の交差点の北西角。
↓この写真に写っている某銀行がある建物の前の道路で、路線価1位は実に33年連続となります。
京都府内の路線価トップは33年連続で京都市下京区御旅町四条通

京都市下京区四条通寺町東入2丁目御旅町 令和6年路線価

こちらの路線価は1平方メートルあたり752万円
前年比では55万円のプラスでした。(上昇率7.9%)

過去5年の路線価の推移をまとめると↓こうなります。
(スマホの方は右にスクロールさせて見てください)

R2
(2020)
R3
(2021)
R4
(2022)
R5
(2023)
R6
(2024)
路線価 6,730,000円 6,530,000円 6,730,000円 6,970,000円 7,520,000円
前年からの
変動率
+18.1% ▲2.9% +3.0% +3.6% +7.9%

コロナ前は平均20%前後の勢いで上昇を続けていましたが、コロナでそれもひと休み。
ただ、徐々に以前の勢いが戻りつつある感じがします。

路線価上昇率1位は京阪祇園四条駅前

上の地点からそれほど離れていない京都市東山区四条通大和大路西入中之町(京阪祇園四条駅前)は路線価の上昇が目立ちました。
上昇率12.9%は京都府内で最高となります。
京都市東山区四条通大和大路西入中之町 令和6年路線価

こちらの路線価は1平方メートルあたり341万円、前年比39万円のプラスでした。

R2
(2020)
R3
(2021)
R4
(2022)
R5
(2023)
R6
(2024)
路線価 3,120,000円 2,850,000円 2,850,000円 3,020,000円 3,410,000円
前年からの
変動率
+27.9% ▲8.6% ±0.0% +6.0% +12.9%

別記事で定点観測を続けている祇園町北側といい、インバウンド景気の後押しを受けてコロナ前は平均30%前後の勢いで上昇を続けていた祇園周辺の路線価。
それだけに、コロナの影響は四条河原町周辺よりも大きかったわけですが、これを見る限りではこちらも上昇気流に乗ってきた感じがします。
(それが京都市民にとって歓迎材料なのかは正直よくわかりませんが…。)

前年急浮上の阪急西院駅前は今年も上昇

そして、京都府下はおろか、大阪国税局管内の2府4県でもトップの上昇率(10.8%)として去年突如注目を集めた京都市右京区西院高山寺町(阪急西院駅前・西大路四条交差点南西角)
京都市右京区西院高山寺町(阪急西院駅前・西大路四条交差点南西角)の帰宅ラッシュ風景

京都市右京区西院高山寺町 令和6年路線価

こちらの路線価は1平方メートルあたり90万円(プラス8万円)で、去年より9.8%の上昇でした。

R2
(2020)
R3
(2021)
R4
(2022)
R5
(2023)
R6
(2024)
路線価 730,000円 720,000円 740,000円 820,000円 900,000円
前年からの
変動率
+7.4% ▲1.4% +2.8% +10.8% +9.8%

他の地点と比較した中での上昇率は大したことないですが、それでも去年と変わらず約10%の上昇。
こちらもこの流れは続いていくのでしょうか?

住宅地も堅調に推移

一方、住宅地に目を移すと。
京都府下の住宅地の路線価1位は今年も京都市上京区室町通下立売上る勘解由小路町(かげゆこうじちょう)で、これで9年連続です。
京都市上京区室町通下立売上る勘解由小路町 令和6年路線価

こちらの路線価は1平方メートルあたり55万円
前年比では2万円のプラスでした。(上昇率3.8%)

R2
(2020)
R3
(2021)
R4
(2022)
R5
(2023)
R6
(2024)
路線価 500,000円 510,000円 520,000円 530,000円 550,000円
前年からの
変動率
+6.3% +2.0% +1.9% +1.9% +3.8%

コロナ禍以降刻むように1万円づつ値を上げてきましたが、今年はその流れから脱した形。
こちらもコロナ前は毎年10%前後の勢いで上昇していたので、来年はさらに上がるかもしれません。

また、住宅地という括りで見ると、この地点から少し北に上がった京都市上京区小川通一条下る小川町の路線価がこの地点を上回る勢いで上昇を続けています。
そちらの今年の路線価は420,000円。
ひょっとしたら、住宅地路線価1位の座もそのうち入れ替わるかも??

2024年京都市内の路線価の傾向まとめ

以上、この記事では京都市内の2024年の路線価の傾向を、4地点の過去5年間の推移を取り上げつつまとめてみました。

京都府の発表によると、今年の地価は

  • 商業地
    • 京都府全体で前年比5.5%増
    • 京都市全体で同6.6%増
    • 京都市中心5区(左京、北、上京、中京、下京)で同6.3%増
  • 住宅地
    • 京都府全体で前年比1.6%増
    • 京都市全体で同2.5%増
    • 京都市中心5区(左京、北、上京、中京、下京)で同2.9%増

と、いずれも昨年のほぼ倍の上昇率となっており、それが路線価にも反映された形となりました。

この流れが今後どうなっていくのか。
是非、我々市民の生活に良い影響を与えて欲しいな、と一(いち)市民としては思います。

近畿2府4県の税務署別路線価の最高価格は以下のページで紹介されています。
令和6年分の大阪国税局各税務署管内の最高路線価|大阪国税局

路線価は全国どこでも閲覧できます【詳しくは別記事にて】

この記事で紹介したように、路線価は財産評価基準書という国税庁のページから全国どこでも好きな場所を見ることができます。

路線価図の調べ方(探し方)は「相続税路線価の調べ方ガイド【図でわかりやすく解説】」という記事で詳しく解説していますので、「自分で探してみたいな」という方は参考になさってください。

相続税路線価図の調べ方ガイド

また、路線価図の見方についても「相続税路線価図の見方とは?数字や記号の意味を詳しく解説」という記事で詳しく解説しています。

路線価図の見方ガイド【数字や記号の意味を詳しく解説】

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