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令和6年分の相続税路線価は2024年7月1日(月)公開

令和6年分の相続税路線価は2024年7月1日(月)公開

相続税や贈与税の計算に必要な相続税路線価(以下「路線価」)は毎年7月1日公開です。
2024年(令和6年)分も例年通り、7月1日(月)国税庁の財産評価基準書というページにて公開されます。

国税庁からもそんな↓プレスリリースが先日出ました。

令和6年分の路線価図等は、7月1日(月)11時に公開することを予定していますのでお知らせいたします。

引用元:令和6年分の路線価図等の公開予定日について|国税庁(7/1公開を受けてリンク切れ)

この路線価はその年1月1日を評価時点としていて、
毎年3月に公開される公示地価(地価公示価格)の80%に設定されることが多いです。
この記事では、そんな路線価と公示地価の関係性とちょっと便利な(?)活用方法を解説します。

関連記事

公開を受けて、我が地元・京都市内の今年の路線価の傾向をまとめました。
令和6年京都市内の路線価の傾向まとめ【2024年分路線価発表】

この記事を書いた人


税理士 尾藤武英
税理士 尾藤 武英(びとう たけひで)
京都市左京区下鴨で開業している税理士です。
過去に税理士試験の予備校で相続税を教えていた経験から、相続税が専門分野。
事務所開業以来、相続税や贈与税の申告、相続税対策、相続税贈与税をテーマとした研修会の講師など、相続税に関する業務を多数行っています。
詳しいプロフィール(経歴や活動実績など)
相続税・贈与税に関するサービス
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路線価はいつの時点の数字を使う?

相続税や贈与税を計算する上で、都市部にある宅地の税金上の価値を求める際に使う路線価

この路線価は、人が亡くなったり贈与があった年分の数字を使います。
つまり、2024年中に亡くなられた方の相続税の計算では2024年(令和6年)分の路線価を使う必要があるわけです。

相続税路線価の適用イメージ
路線価の適用イメージ。令和6年中は「令和6年分用」の路線価を使う

路線価はいつ更新される?

その路線価は↓このような「路線価図」として、毎年7月1日国税庁の財産評価基準書というページで公開されます。
相続税路線価図

冒頭で紹介した国税庁のプレスリリースは
「今年も例年通りの公開日になるよー」
と言ってるってことですね。

びとう
なお、財産評価基準書には倍率方式(郊外にある土地の評価)で使用する評価倍率表も掲載されています。
倍率表の探し方・見方や倍率方式の計算方法については「【相続税の倍率方式】倍率表の見方から計算方法まで詳しく解説」という記事をご覧ください。

路線価の公開を待っていたら申告までの時間がタイトになるケースも

ただ、路線価の公開が7月になることで1つ問題があるとすれば、相続税の申告期限との関係です。
以下の記事でも解説していますが、相続税の申告期限は亡くなった日から数えて10ヶ月後。
参考記事相続税の申告期限までのタイムスケジュール

1月に亡くなられた方の場合は11月が申告期限で、路線価公開の時点で残り4ヶ月。
「路線価の公開を待っていたら時間が足りない」なんてケースもあるかもしれません。

路線価は公示地価(地価公示価格)から予想できます

とはいえ。
冒頭にも書いたように、路線価は、正確な数字はわからなくても「多分これぐらいになりそう」というものはある程度予想することができます。

路線価は公示地価の80%程度に設定される

というのも、路線価は国が気分で決めているわけではもちろんなく、ちゃんとした基準があるからです。
それは、毎年3月下旬に国土交通省から公示される「公示地価(地価公示価格)」

公示地価については以下の記事で解説しています。
基準地価と公示地価・路線価の違い【土地の値段は一物四価】

路線価と公示地価はいずれもその年1月1日を評価時点としています。
(=1月1日時点の土地の実際の取引価格を参考にして決まる)
そして、路線価は公示地価の8割の金額に設定されることが多いです。

相続税路線価と公示地価のイメージ。ともに1/1を評価時点とする
3月末の公示地価を踏まえて路線価が発表される

ということは、3月下旬に出た公示地価を見れば、7月に出る路線価のだいたいの傾向も知ることができるというわけですね。

路線価は本当に公示地価の80%なのかを検証!

以下、その証拠として、
京都市内で公示地価の標準地として指定されている「とある地点」の公示地価と路線価を比べてみましょう。
その地点とは、「京都市東山区祇園町北側277番地」です。
京都市東山区祇園町北側277番地付近の路線価図

下の写真の場所で、八坂神社の目の前、観光客で賑わう四条通り沿いの繁華街にある公示地価の標準地です。
京都市東山区祇園町北側277番地付近の写真

こちらの公示地価と路線価の令和元年から令和5年までの5年間の推移をまとめてみました。
(スマホの方は右にスクロールさせて見てください)

H31/R1 R2 R3 R4 R5
公示地価 2,800,000円 3,500,000円 3,200,000円 3,200,000円 3,400,000円
路線価 2,240,000円 2,800,000円 2,560,000円 2,560,000円 2,720,000円
路線価/公示地価 80.0% 80.0% 80.0% 80.0% 80.0%

ね?しっかり8割に設定されているでしょ?(^^

びとう
ちなみにこちらの令和6年の公示地価は3,890,000円でした。
(凄い上がり方…。)
このパターンでいくと路線価は3,112,000円となるはずですが…。
7/1をお楽しみに。

【7/1追記】
注目の路線価ですが、3,110,000円でした!
令和6年の京都市東山区祇園町北側277番地の路線価は311万円
「万円未満の端数はどうするのかな?(そのまま残しかな?)」と思っていましたが、切り捨ててきましたね。

 
↓国土交通省の発表によると、今年は

全国の地価は、景気が緩やかに回復している中、地域や用途により差があるものの、三大都市圏・地方圏ともに上昇が継続するとともに、三大都市圏では上昇率が拡大し、地方圏でも上昇率が拡大傾向となるなど、上昇基調を強めている。

引用元:報道発表資料:全国の地価動向は全用途平均で3年連続上昇~令和6年地価公示~ – 国土交通省

とのことで、全国的にもこの傾向が路線価に反映されそうです。

公示地価は国土交通省のページから閲覧できます

公示地価は以下の国土交通省のページから全国の数字が閲覧できます。
不動産情報ライブラリ | 国土交通省
上の表の中にある公示地価も全てこのページから拾いました。

公示地価が公表される「標準地」は限られているので、自分が知りたい場所の公示地価がピンポイントで知れるわけではありません。
ただ、周辺の標準地の公示地価を知ることができれば、「多分これぐらいになりそう」という予想自体は立てられるハズ。

なので、私は前述のようなケース(1月に亡くなった方の相続税の申告依頼を受けている場合)では、
上のページから評価したい宅地の近隣の公示地価の値動きを調べて、そこから推測した路線価を元に仮の計算を行っています。

路線価と公示地価の関係と活用方法のまとめ

以上、この記事では「路線価と公示地価の関係性とちょっと便利な(?)活用方法」と題して、

  • 毎年7月に公表される路線価は公示地価同様、1月1日を評価時点としている
  • 3月に公表される公示地価を調べれば路線価もある程度予想できる
    (気の早い(?)人は調べてみては?)

といった点を紹介してみました。

このサイトではこれ以外にも「路線価方式」についていろいろ解説しています。
興味があれば↓こちらの関連記事にも目を通してみてください。


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