令和2年分の路線価は7月1日(水)公開

令和2年分の路線価図は7月1日(水)公開【国税庁発表】

今年(2020年)も相続税路線価の公開日が近づいてきました。
今年発生した相続税や贈与税の計算で使う2020年(令和2年)分の路線価図令和2年7月1日(水)財産評価基準書のページにて公開されます。

5月27日、国税庁からもその旨の↓プレスリリースが出されました。

令和2年分の路線価図等は、7月1日(水)11時に公開することを予定していますのでお知らせいたします。

引用元:令和2年分の路線価図等の公開予定日について|国税庁

新型コロナウイルスの感染拡大が影響したのか、今年は↑この発表も例年(4月中旬)から1ヶ月半遅れとなりました。
ただ、公開日は例年通り7月1日で変わらずで何よりです。

相続税路線価は毎年3月に公開される公示地価(地価公示価格)の約80%に設定されることが多いのですが、
コロナ禍の影響が大きい今年は果たしてどうなるのでしょうか?

【令和2年7月追記】
その後、令和2年分の路線価が予定通り公開されました。
令和2年分の路線価の動向や今後気をつけるべき取り扱いについては「令和2年分の路線価にコロナ禍の影響は反映されず。国税庁の今後の発表に要注目」という記事で解説しています。
 

【前提】路線価は「その年分の」数字を使います

相続税や贈与税を計算する上で、都市部にある宅地の税金上の価値を求める際に使う相続税路線価(以下「路線価」)

この路線価は、人が亡くなったり贈与があったりしたその年分の数字を使う必要があります。
つまり、2020年中に亡くなられた方の相続税の計算では2020年(令和2年)分の路線価を使う必要があるわけです。

各年分の路線価は毎年7月1日に公開されます

その路線価は↓このような「路線価図」として、毎年7月1日(7月1日が土日祝日の場合は7月最初の平日)財産評価基準書というページにて公開されます。
弊所周辺の路線価図

財産評価基準は、相続、遺贈又は贈与により取得した財産に係る相続税及び贈与税の財産を評価する場合に適用します。ただし、法令…

冒頭で紹介した国税庁のプレスリリースは
「今年も例年通りの公開日になるよー」
と言ってるってことですね(^^

路線価の公開を待っていたら申告までの時間がタイトになるケースも

ただ、路線価の公開が7月になることで1つ問題があるとすれば、相続税の申告期限との関係です。
以下の記事でも解説していますが、相続税の申告期限は亡くなった日から数えて10ヶ月後。
参考記事相続税申告のタイムスケジュール。3、4、10ヶ月が大きな区切りです

1月に亡くなられた方の場合は11月が申告期限で、路線価公開の時点で残り4ヶ月。
路線価の公開を待って一から計算を始めていては、とてもじゃないけど時間が足りません。

路線価は公示地価(地価公示価格)から予想可能です

とはいえ。
冒頭にも書いたように、路線価は、正確な数字はわからなくても「多分これぐらいになりそう」というものはある程度予想することができます。

路線価は公示地価の約8割の金額に設定されることが多い

というのも、路線価は国が気分で決めているわけではもちろんなく、ちゃんとした基準があるからです。
それは、毎年3月下旬に国土交通省から公示される「公示地価(地価公示価格)」

公示価格については以下の記事で解説しています。
基準地価・公示地価とは。路線価との違いはどこにある?

路線価と公示地価はいずれもその年1月1日を評価時点としています。
(=1月1日時点の土地の実際の取引価格を参考にして決まる)
そして、路線価は公示地価の約8割の金額に設定されることが多いです。

路線価と公示地価の関係性を表した図
路線価は公示地価をふまえて設定されます。

ということは、3月下旬に出た公示地価を見れば、7月に出る路線価のだいたいの傾向も知ることができるというわけですね。

びとう
びとう
その年分用の数字が7月という遅い時期に出されるのも、3月末に公表された公示価格を見て決めているからなんです!

路線価は本当に公示地価の8割かを検証!

以下、その証拠として、
京都市内で公示価格の標準地として指定されているとある地点の公示地価と路線価を比べてみましょう。

京都市東山区祇園町北側277番地

その地点とは、「京都市東山区祇園町北側277番地」です。
京都市東山区祇園町北側277番地付近の路線価図

八坂神社の目の前、観光客で賑わう四条通り沿いの繁華街にある公示地価の標準地です。
↓この写真の場所(祇園の交差点)からちょっとだけ西に行ったあたり。
京都市東山区祇園町北側277番地付近の写真

こちらの公示価格と路線価の平成27年から去年までの5年間の推移をまとめてみました。
(スマホの方は右にスクロールさせて見てください)

H27H28H29H30H31/R1
公示地価990,000円1,200,000円1,550,000円1,950,000円2,800,000円
路線価770,000円960,000円1,240,000円1,560,000円2,240,000円
路線価/公示地価77.7%80.0%80.0%80.0%80.0%

ね?しっかり8割に設定されているでしょ?(^^)
ここ4年、公示地価比の路線価の割合は見事に80%で推移しています。

公示地価は国土交通省のページから閲覧できます

公示地価は以下の国土交通省のページから全国の数字が閲覧できます。
地価公示・地価調査・取引価格情報 | 土地総合情報システム | 国土交通省

上の表の中にある数字も全て↑このページから拾いました。

公示地価が公表される「標準地」は限られているので、自分が知りたい場所の公示地価がピンポイントで知れるわけではありません。
ただ、周辺の標準地の公示地価を知ることができれば、「多分これぐらいになりそう」という予想自体は立てられるハズ。

なので、私は前述のようなケース(1月に亡くなった方の相続税の申告依頼を受けている場合)では、
上のページから評価したい宅地の近隣の公示地価の値動きを調べて、そこから推測した路線価を元に仮の計算を行っています。

令和2年分も「公示地価の8割」のままなのか、それとも…?

ただ、ここまでの話はあくまでも「例年であれば」です。
ご存知のとおり、今年は2月に入ってから新型コロナウイルスの感染拡大があり、観光産業やオフィス需要が壊滅的な打撃を受けています。
これらが不動産の価格にも大きな影響を及ぼしていることは容易に想像できますし、それが今後どうなっていくのか、今の時点では見通しも一切立ちません。

前述のとおり、路線価と公示地価はいずれも1月1日を評価時点としています。
つまり、例年どおりの決め方のままなら、1月時点=コロナ禍が起こる前の土地の値段が路線価に反映されます。

また、これまた前述のとおり令和2年分の路線価は令和2年中(=令和2年1月1日〜12月31日まで)に亡くなった方の相続税の計算で使います。
つまり、今年の12月に亡くなった方の土地の相続税評価額が1月時点=コロナ禍が起こる前の土地の値段を基準にして出されてしまうわけで、「それってどうなの??」と個人的には思います。

コロナ前の価格を基とした路線価がコロナ後にも適用される??
コロナ前の価格を基とした路線価がコロナ後にも適用されてしまう??

このあたり、例年とは違う何らかの調整が路線価に入るのか…。
(でも時間的には厳しいんだろうな)

ちなみに、上で紹介した地点(京都市東山区祇園町北側277番地)の今年の公示地価は350万円でした。

H28H29H30H31/R1R2
公示地価1,200,000円1,550,000円1,950,000円2,800,000円3,500,000円
路線価960,000円1,240,000円1,560,000円2,240,000円??
路線価/公示地価80.0%80.0%80.0%80.0%??

この数字がどうなるのか、まずは7月1日の発表を待ちましょう。

【令和2年7月追記】
その後、令和2年分の路線価が予定通り公開されました。
気になる価格は「コロナ禍による調整はひとまず無し。ただし、今後の状況次第で修正を検討する」という方向のようです。
詳しくは「令和2年分の路線価にコロナ禍の影響は反映されず。国税庁の今後の発表に要注目」という記事で解説しています。
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