「お金貰ったけど贈与税の申告なんかいらんやろ」は危険です!

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京都市左京区で開業している税理士です。元税理士試験受験予備校「相続税法」講師。相続税や所得税など「個人の方にかかる税金」に特化した税理士として活動中。個人で運営し、「税理士が直接お客様に全てのサービスを提供すること」を大切にしています。詳しいプロフィール「DEEN 税理士」「Nikon 税理士」で検索1位な個人ブログはこちら

12月に入り、2016年もあと少しで終わりですね。

昨年から相続税の基礎控除が引き下げられていることに伴い、相続税対策として生前贈与の有用性が叫ばれていることから、この1年の間に両親や祖父母などから何らかの財産を貰ったという方も多いことでしょう。

もし、それらの財産の年間の合計額が110万円を超える場合は贈与税の申告が必要になりますので、
「該当する!」という方は忘れないようにして下さいね。

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平成27事務年度の相続税・贈与税の調査実績が公表されました

この記事は先日(と言っても1ヶ月も前ですが(^^;)国税庁のホームページで公表されたとあるプレスリリースをきっかけにして書いています。

そのプレスリリースとは
「平成27事務年度における相続税の調査の状況について」
というものです。

これは、平成27年7月1日から平成28年6月30日までの1年の間に、税務署が相続税や贈与税についての税務調査をした結果、申告漏れを指摘した件数やその金額、財産の種類や追徴した税額などをまとめたものです。

いわば「こんなところに着目してるから気をつけてや〜」という、税務署からの生のデータです。

このプレスリリースのタイトルは「相続税」となっていますが、贈与税は相続税の補完税なので(←詳しくはリンク先の記事をどうぞ)、一番最後には贈与税についても書かれています。
そして、これを見ていると、贈与税の税務調査について1つのわかりやすい傾向が見えてきます。

それは、贈与税は現金や預貯金の無申告に注意ということです。

公表データから見えてくること

以下、公表されたデータを順番に紹介していきます。

調査件数などは前年度とさほど変わりないですが…。
(以下のスクリーンショットは全て国税庁ホームページの「平成27事務年度における相続税の調査の状況について」から引用しています。)
スクリーンショット

特徴が出ているのが次の2つのグラフです。

無申告事案が8割を超えている

「申告漏れ等の非違件数(=税務調査で申告漏れが指摘された件数)」「申告漏れ課税価格」ともに、無申告が占める割合が8割を超えています。
スクリーンショット

税務署から「アンタ贈与税ちゃんと払ってや」と言われた人のうち、
「アンタそもそも申告してないやん」という人の割合が8割を超えている、ということです。

財産の内訳は現金・預貯金等が6割超えている

また、申告漏れ財産の内訳では「現金・預貯金等」が6割(60.1%)を占めています。
スクリーンショット

税務署から「これにも贈与税かかるでぇ」と言われた財産の6割を現金・預貯金等が占めている、ということです。

この割合、相続税と比べてみたらいかに高いかがよく分かります。
相続税の場合も現金・預貯金等が占める割合は全体の中で一番多いですが、それでもせいぜい35%〜40%前後です。
(下の棒グラフの赤色の部分が現金・預貯金等の占める割合です。)
スクリーンショット

登録免許税や不動産取得税などの移転費用がかからない分、通常、贈与するなら不動産よりも現預金を優先するというのもあるんでしょうが、それにしても高い割合です。

総合すると、税務署は贈与税については相続税以上に現金・預貯金等の無申告事案を追いかけているんだということがよくわかります。

まとめ 申告義務がある方は忘れずに申告を!

改めてまとめますと、贈与税というのは、相手が何人かは問わず、1月1日から12月31日までの間に財産を貰った人の、その貰った財産の合計額が110万円を超える場合に申告が必要になります。
また、去年以前に「相続時精算課税制度」を選択している人がその対象の直系尊属から財産を貰っている場合は、110万円という金額に関わらず、たとえ1円でも申告が必要です。

上で紹介したとおり、税務署は贈与税の無申告、特に、現預金の動きに着目しています。
この記事で紹介している国税庁のプレスリリースでも↓こんな文言が挙がっていますし。

国税庁では、あらゆる機会を通じて把握した生前の資産保有・移動状況に関する情報を蓄積・活用するなどして、贈与税の無申告事案の積極的な調査に努めています。

引用元:平成27事務年度における相続税の調査の状況について|国税庁

「そんなん、現預金の贈与なんてどうやって把握すんねん。バカ正直に申告なんかせんでええやろ!」
なんて思わずに、法律で決められた申告と納税の義務はしっかりと果たすようにしましょう。

あとから税務署からゴチャゴチャ言われて余計な罰金まで払わされたら逆に損ですからね。

平成28年分の贈与税の申告期限は所得税の確定申告と同じ平成29年3月15日(水)までです。
ただ、受付は所得税より2週間早く、平成29年2月1日(水)からスタートします。
申告義務のある方は今のうちから準備を進めておきましょう!


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