亡くなった人の遺産の中に市街地にある土地が含まれている場合、その土地は「路線価方式」というやり方で相続税計算上の価値(=相続税評価額)を求めます。

このサイトでは、「相続税の路線価方式とは?計算方法のポイントをわかりやすく解説します」という記事で、この路線価方式がどんなやり方なのかを解説しました。

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「路線価方式」とは?

また、「相続税路線価の調べ方ガイド」という記事では、国税庁ホームページから路線価を探す方法を紹介しました。

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相続税路線価を調べるには?

路線価方式の基本、調べ方とくれば、お次は「路線価図の見方」です。

というわけで、この記事では、土地の相続税評価額の計算で欠かすことができない路線価図の見方について、
実際の図のスクリーンショットを豊富に使いながらわかりやすく解説していきます!

この記事の運営元:京都市左京区の尾藤武英税理士事務所
税理士試験受験予備校「相続税法」の元講師が運営する税理士事務所です。
わかりやすいアドバイスで皆様をサポートいたします。

相続税路線価図の見方とは?

路線価図は国税庁ホームページの財産評価基準書というページで見ることができます。

財産評価基準は、相続、遺贈又は贈与により取得した財産に係る相続税及び贈与税の財産を評価する場合に適用します。ただし、法令…

その路線価図は↓こんな見た目をしています。
(私の事務所周辺の路線価図のスクリーンショットです)
路線価図

都市部(=地元自治体が指定する「市街化区域」の中)にある土地については、
日本全国すべての場所について、上のような路線価図が毎年作成・公開されています。

地図のような見た目をしたこの路線価図の中に、路線価方式の計算で必要な↓以下の情報がギュギュッと詰まっています。

以下、これらがどこから読み取れるのかを順番に見ていきましょう!

道路に付いている数字の部分が路線価です

まず、路線価はどこから読み取るのでしょうか?

上の路線価図の一部をもっと拡大してみましょう。
(私の事務所周辺にさらに寄ってみました(^^;)
縦方向や横方向に走っている道路に「330D」とか「340D」とかいう符号がついているのがわかります。
この符号の「330」「340」という数字の部分がその路線(道路)に付いている路線価です。
アタマの数字が路線価

1㎡あたりの単価が千円単位で表示されているので、
「330」なら330,000円、「340」なら340,000円が路線価だということになります。

Dの記号は借地権割合を表している

では、「330」とか「340」の後についている「D」という記号は何を表しているのでしょうか?
路線価図のDという記号の意味は?

これはその宅地(上に建物が建っている土地のことです)の借地権割合を表しています。
宅地やその上にある建物を他人との間で賃貸借していた場合に相続税の計算で使っていく割合です。

↓路線価図の上部には記号と借地権割合を照合する表が載っています。
路線価図の上部に借地権割合の凡例が載っている

拡大するとこんな感じです。
記号と借地権割合の照合表

記号Dは借地権割合が60%とあるので、この周辺は

  • 宅地を借りている側(借地権)=土地の60%の権利を持つ
  • 宅地を貸している側(貸宅地)=土地の40%の権利を持つ

地域なんだ、ということがわかります。
これを踏まえて、貸し手側・借り手側、それぞれ宅地の評価額を計算していきます。

借地権割合を使った宅地の計算方法は以下の記事で解説しています。
借地権割合とは?賃貸借の目的となっている宅地の相続税評価の方法

 
ちなみに、この借地権割合は都会のど真ん中ほど高めで、田舎に行くほど低くなります。
(=都会に行くほど借り手側の権利の割合が大きくなる、ということ。)

上の表にもあるように、路線価地域の借地権割合の最低は記号G=30%ですが、
路線価が付いていないさらに郊外の地域(=倍率方式で評価する地域)に行くと、借地権割合がゼロなんて地域もあったりします。

「地区区分」とは?宅地がある場所によって拾う補正率が変わる!

また、路線価方式で計算するためには、土地の形状などに応じて正しい補正率を拾う必要があります。
そのために必要な情報が地区区分です。

私の事務所周辺の路線価図のアップをもう一度貼り付けてみます。
↓左で赤丸している路線価(330D)の周りにはマルの記号がついていますが、右で赤丸している路線価(340D)の周りには何もついていません。
左の路線価の周りには丸がついているけど右にはない

これにもちゃんと意味があって、ここからその土地がある場所の地区区分がわかります。

土地の場所に応じて7つの地区区分がある

路線価では、その土地の場所に応じて7つの地区区分を設けています。

「地区区分」というと難しく聞こえますが、ざっくり言うと、
「その土地が、主にどんな使い方をされているエリアにあるのか」を分けたものです。

名称を挙げたほうがイメージが湧きやすいかもです。

  • ビル街地区
  • 高度商業地区
  • 繁華街地区
  • 普通商業・併用住宅地区
  • 中小工場地区
  • 大工場地区
  • 普通住宅地区

  • 住宅地のど真ん中だったら「普通住宅地区」
  • 住宅とお店が混在しているエリアだったら「普通商業・併用住宅地区」
  • 市街地のど真ん中だったら「繁華街地区」「高度商業地区」「ビル街地区」

そんなイメージで捉えて頂ければ!

地区区分の凡例も路線価図で確認可能です

上で紹介したように、その土地がどの地区区分に該当するかは、路線価の周りについている記号で判断しますが、
路線価図の左上には↓このように、地区区分の記号の凡例が載っています。

アップにすると↓こんな感じです。
地区区分の凡例

 
ウチの事務所周辺の路線価図でもう一度確認すると、
左の「330D」の路線価をメインで使っていく場合は「普通商業・併用住宅地区」にあるものとして、
右の「340D」の路線価をメインで使っていく場合は「普通住宅地区」にあるものとして、

それぞれ、宅地の形状などに応じた調整計算をしていきます。
普通商業・併用住宅地区と普通住宅地区

同じ奥行き14mの宅地でも、
・市街地のど真ん中にあるのと
・住宅地の中にあるのと
・周りが工場ばかりの場所と
では価値が違って当然
なので、
画一的に「奥行きが何mだったらいくら!」とするのではなく、
宅地がある場所や使用の用途によっての価値の違いを反映させよう!という目的で、このような7つの区分が設定されています。

路線価図の見方のまとめ

以上、この記事では、市街地にある土地の評価で欠かすことができない路線価図の見方を詳しく解説してみました。

最後にもう一度、路線価図から読み取れるものを紹介しておきます。

この記事が「路線価図の見方を知りたい!」というあなたのお役に立てれば幸いです。

これを踏まえた「路線価方式の計算のキホン」は以下の記事で詳しく解説しています。
相続税の路線価方式とは?計算方法のポイントをわかりやすく解説します

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