「広大地評価」の難しさ

今日は昼から地元の税理士の組合で研修を受けてきました。
テーマは2つで、前半が「高齢者施設建築による土地活用」、後半が「広大地評価の実例」。

前半のテーマは正直興味が無かったので全然聞いてなかったんですが、後半の広大地評価の話は面白かったです。
今後の業務を行う上でも非常に参考になりました。

この記事の運営元:京都市左京区の尾藤武英税理士事務所
税理士試験受験予備校「相続税法」の元講師が運営する税理士事務所です。
わかりやすいアドバイスで皆様をサポートいたします。

広大地評価って何?

広大地評価というのは、相続税や贈与税の計算をする上で行う土地の評価方法の一つです。

相続税や贈与税は、財産を貰った人のその貰った財産に対して課税していく税金なので、税額を求めようと思えば、その貰った財産の価値がいくらか(これを我々は「相続税評価額」と呼んでいます)というのを計算する必要があります。

以下の記事ではその計算の目的などを紹介しています。
なんで必要?相続税や贈与税の計算の肝「財産評価」

そこで、なるべく時価に近くなるように、
「この財産だったらこんな方法で相続税評価額を求めて下さいね」
というやり方(=評価方法)を各財産ごとに国が決めていて、その一つが広大地評価というわけです。

読んで字のごとく、周囲の土地に比べて面積が広大な土地に対して適用される評価方法です。

評価算式は?

具体的な評価算式は↓こうなっています。

広大地評価をする土地が接している道路の路線価×(0.6-0.05×広大地の地積/1,000㎡)×地積

数字で当てはめてみた方がわかりやすいですよね。

【例】
広大地評価をする土地の地積:1,200㎡
広大地評価をする土地が接している道路の路線価:200,000円 の場合

200,000円×(0.6-0.05×1,200㎡/1,000㎡)×1,200㎡=129,600,000円

(参考:広大地評価をしなかった場合の評価額は200,000円×1,200㎡=240,000,000円となります。)

こうして見ておわかりのとおり、これを適用して計算した場合、適用しなかった場合に比べて評価額を約半分にまで抑えることができます。

かなり思い切った評価方法ですが、でも、例えば1,000㎡前後の土地って、マンションの敷地として売る場合を除くと、一括で売ろうとしても土地が大きすぎてなかなか買い手が付かなかったりして、結局1㎡あたりの単価で見るとかなり安くなっちゃうんですよね。
(「面大減価」と言うらしいですが。)

なので、ある意味実情に則した評価方法ではあるんです。

ただ、評価額が半分にまで減らせるというのは相当お得な評価方法なので、適用するためにはもちろん要件があります。
この「要件」が、この評価方法で最も難しいところなんです。

「これ、広大地です」と証明するのが大変

国税庁の広大地に関する解説ページの一番最初に広大地に該当するための要件が文章で書かれていますが、要約すると

1.大規模な工場用地に該当しない
↓ はい
2.マンションの建設業者が買いたいと思うような土地ではない
↓ はい
3.周りに比べて土地の面積が広大である(3大都市圏内で500㎡以上)
↓ はい
4.その土地を宅地開発するとしたら道路などの潰れ地が発生する(土地の一部に収益を生まない部分が発生する)
↓ はい
広大地に該当(^o^)

つまり、
「工場用地とかマンション用地としてボンと売れるんならアカンけど、それが無理で安くでしか売られへんねんってことを証明してくれるんやったら、しゃーなしで評価下げさせたるわ」
という方法なんです。

ただ、その「証明」をするのがホント難しいんです。
国も文章で↑ああ言ってるだけで、具体的な基準はほとんど公表してくれていません。

「ある程度これはアカンってのはあるけど、基本はケースバイケースやから、そっちが申告書を出してきた時点で考えるわ。」って感じですから。

だから、「可否判断」をテーマに1コ研修ができたりもするんですよね(^^;

今日の研修では
「こんなケースでも税務署にアカンと言われましてん」
という話をたくさん伺うことができました。
ホント時間が経つのが早かったです。

「アカンかったか〜」「忘れてたわ〜」ではシャレにならない

この広大地評価を余計に難しくしているのは、適用の有無で税額の負担が大きく変わるという点でしょう。
1,000㎡の土地の評価額(1.5億とか2億とか)が半分になったりならなかったりという世界ですから。
とりあえず一旦は適用ありで申告したけど「こんなん認めへんから倍額払って!」と言われた時の税額の負担を考えると…書いているだけで寒気がします(冷汗)

ちなみに私は前の事務所に勤務していた時代に、他の税理士が作成して提出した相続税の申告書から広大地評価が適用できる宅地を2つも見つけて、2,000万円以上の相続税額の還付を実現させたことがあります。
(重ねて言いますが、2,000万円の評価の減額ではなくて税額の還付です。)

もしそのお客さんが「この申告書を見てくれ」とウチに来なかったとしたら、2,000万円もの税金が余分に払ったままになっていたんですよ⁉︎
そう思うと、私も事務所の所長も、手放しでは喜べなかったです。

明日は我が身とならないように、しっかりと勉強を続けていかないとなぁ、とこの記事を書きながら改めて思っている次第です。

広大地評価については、平成29年をもって廃止されました。
現在は「地積規模の大きな宅地の評価」という新たな評価方法に変わっています。
関連記事「広大地の評価」は「地積規模の大きな宅地の評価」へ。財産評価改正案公示
【相続税・贈与税のまとめページのご案内】
当サイトで相続税・贈与税について解説している全記事をテーマ別にまとめました。
「相続税・贈与税の解説記事のまとめ」ページを見る
おすすめ記事

「相続税や贈与税ってどんな税金?」そんな疑問を解消するべく、当サイトで相続税や贈与税について解説している記事をテーマ別に一覧でまとめました。一般の方向けの内容から税理士向けのマニアックな話までいろいろありますが、一般の方はま[…]

相続税・贈与税 解説記事の全記事一覧
相続でお困りの方へ:お気軽にご相談ください!【全国対応可能です】
京都市左京区の尾藤武英税理士事務所では、相続税に関するご相談や申告のご依頼をお受けしています。
税理士試験受験予備校「相続税法」の元講師である税理士が、わかりやすいアドバイスで皆様をサポートします。
 尾藤武英税理士事務所ホームページはこちら
この記事は、京都の税理士・尾藤武英が税金に関する話をできるだけわかりやすくお伝えする目的で公開しています。
記事の無断転載はくれぐれもご遠慮ください。
また、お気付きの点などがありましたらお問い合わせフォームよりお知らせください。
>お気軽にご相談・お問い合わせください!

お気軽にご相談・お問い合わせください!

弊所へのご依頼に関する面談は無料にて承っております。
お問い合わせはメールフォームまたはお電話にてお受けいたします。

CTR IMG