なぜ必要?相続税や贈与税の計算の肝「財産評価」

AUTHORこの記事を書いた人

京都市左京区で開業している税理士です。元税理士試験受験予備校「相続税法」講師。相続税に強く、クラウド会計に特化した税理士として活動中。
代表税理士1人で運営し、「税理士が直接お客様に全てのサービスを提供すること」を大切にしています。
詳しいプロフィールどんな人間かがわかるかも?な個人ブログはこちら

講師初年度に使っていたテキストです。
受講生時代はこのテキスト、嫌いでした。

相続税法の特殊性に馴染めなかった受験生時代

私はかつて税理士試験の専門学校で「相続税法」という科目の講師をしていました。
でも、受験生時代は相続税法はハッキリ言って嫌いな科目でした(^^;

というのも、相続税法は他の税法科目に比べて特殊な点が2つあると感じていたからです。

似たような用語が多い

まず1つは、似たような用語をたくさん覚えなきゃいけなかったこと。
たとえば、
「特定贈与財産」「特例贈与財産」とか、
「特例対象宅地等」「選択特例対象宅地等」「特定特例対象宅地等(今は無い用語です)」とか。
「『特定』とか『特例』とかどんだけ言わすねん!」って感じですよね??

財産評価をやる意味がわからない

あともう1つが、今日のテーマである「財産評価」の存在です。

相続税法の試験では配点の半分を計算問題が占めています。
与えられた資料をもとに納付税額を計算していく問題なんですが、相続税法の計算問題ではこの「財産評価」の出来が本試験の合否を分けます。

「他の税法はいくらで売ったかとかいくら払ったかなんて数字は与えられるのに、なんで相続だけそれを計算せなあかんの?
てか、計算方法もメッチャややこしいし!」

なんて思っていました。

これらの苦手意識は結局講師をやるまで払拭出来なかったです。
(というか、そんな奴がよく講師なんかやったなぁ、と思われるでしょうが、そこはまぁいろんな縁がありまして(^^;)

でも、用語の方はともかくとして、今は本当にこう思います。
相続税や贈与税の計算の肝は「財産評価」なんです!

相続税や贈与税は「貰った財産」にかかる税金です

相続税は
「個人の方が亡くなった方(被相続人)から財産を相続したり遺言で取得したりした場合に、その取得した財産に対して課される税金」
であり、また、贈与税は
「他人から贈与で財産を貰った場合に、その貰った財産に対して課される税金」
です。

どちらも、「貰った財産に対して」課税をしていくというところが大きな特徴です。

たとえば、法人税や所得税、消費税の場合だと

・70円で買ってきたものを100円で売って30円儲けたからそれに税金がかかるのが法人税や所得税。
・100円で物を買うために追加で8円を払うのが消費税。

と、どちらも相手先との間で成立した「対価」という明確な課税の基準があります。

でも、相続税や贈与税は

・5,000万円の土地を相続した
・500万円の宝石を貰った

という場合にかかる税金です。

写真に写っているのは事務所が入っているマンションです。
こういった建物やその敷地をタダで貰ったことに対して課税するのが相続税や贈与税なわけですから、これらがいくらの価値があるのかを出さないと税金の計算も出来ません。

土地の値段が5,000万円だ、とか、宝石の値段が500万円だ、などという金額が本当に正しい数字であればいいんですが、自分では5,000万円の土地だと思っていたとしても、

・ある人は4,000万円で買いたいと言うかもしれないし、またある人は6,000万円で買いたいと言うかもしれません。
・また、そんな土地の固定資産税評価額を調べてみたら3,500万円かもしれません。
・あと、税金がかかる金額を自分の思う金額で決めてもいいよ、なんてことになれば、バカ正直に「5,000万円だ」と言う人も多分いないでしょう笑

そうならないように、公平に課税する金額を決めるための作業として「財産評価」が必要なんです。

目的は2つあるんです!

つまり、財産評価をする目的には2つあって、

相続税や贈与税をいくらかけるかの基準となる金額を出したい。

のはもちろん、

みんなが決められた評価方法を採ることによって公平に課税が出来るようにしたい。

という目的もあるんです!

そう思ったら、財産評価、意味のある作業に思えてきませんか?
私も講師をやってはじめてこういった目的を知ったので、それ以来財産評価に対するイメージもだいぶ変わりました(^^;

考え方のベースは「今お金に直したらいくらの価値があるのか」

過去の記事では、財産の種類ごとに評価の方法をいろいろと紹介してきました。

これらも全て、「この財産はこう評価しろ!」という決まり(「財産評価基本通達」と言います)があって、それに基づいて記事を書いています。

他にもいろんな財産の評価の決まりがありますが、考え方のベースは全て、
「今この財産をお金に直したらどれだけの価値があるのか」
です。

今後もいろんな財産の評価方法を紹介していきますのでお楽しみに!

ご案内

相続税・贈与税についてまとめたページを作りました
この記事以外にも、基本的な内容からマニアックな話まで、全記事の一覧は↓こちらをクリック!

運営元:京都下鴨の「尾藤武英税理士事務所」
当事務所では、相続税に関するご相談や申告のご依頼をお受けしています。
「相続税に強い」税理士が、確かな知識でわかりやすく皆様をサポートします。
この記事は、投稿日現在の法律・状況などに基づいて書いています。
このサイトの閲覧・利用にあたっては、免責事項に合意されたものとして取り扱わせていただきますのでご了承ください。